- 30代から税理士を目指したい!
- でも30代未経験で会計事務所に転職できる?
- 税理士試験に理解のある会計事務所の探し方は?
こんな悩みをお持ちの方も多いと思います。
結論から言うと、30代未経験でも会計事務所に転職することはできます。
ただ、やみくもに転職活動しても良い結果は望めません。
なぜなら、転職活動では「若い20代」や「バリバリの経験者」と競って1つのポジションを奪い合うからです。
僕は33歳未経験で会計事務所への転職することができました。
転職して3年後、36歳で念願の税理士になりました。
この記事では「会計事務所に30代未経験で転職する方法」について詳しくまとめています。
僕が経験して良かったことや、もっとこうすれば良かったという改善点を踏まえて書きました。
未経験業界への転職は分からないことが多く、すごく不安だと思います。
でも、この記事を読めばその不安も解消されますので、ぜひ最後までお読みください。
そして「よーし、やるぞー!」と自信を持っていただければと思います!
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ヒュープロを税理士の視点から詳しく解説した記事はこちら「ヒュープロ(Hupro)の評判は?東京の会計事務所に転職したい人は必須」
転職活動は営業活動と同じ
転職活動に入る前に理解しておく大事なことが1つあります。
それは「転職活動は営業活動と同じである」ということです。
会計事務所にとって、人を雇うということはとても大きな「投資」です。
例えば、年収500万円の人を10年間雇用する場合を考えてみます。
給料や社会保険料・労働保険等の会社負担を含めた人件費は10年で約5,800万円です。
もし、あなたが会計事務所側だったら5,800万円もの投資をして損したくないと思いますよね?
会計事務所も同じことを考えて人材を選考しているので、真剣そのものです。
ですので、あなたという「商品」に投資しても損しないという事を会計事務所に納得してもらわなければ、絶対に採用されません。
要するに「あなたを雇えば自分は得する」と感じてもらうことが大事なのです。
雇うメリットがあれば、たとえ30代未経験であっても採用されます。
一方、自分のメリットばかり考えている方は転職で失敗します。
よほどの実力者でない限り、利己的な人を率先して採用する会計事務所はありません。
ですので、「自分は会計事務所にどんなメリットを与えられるのか?」を常に考えるようにしましょう。
転職活動は、会計事務所に自分を売り込む「営業活動」であることを意識することが大切です。
自分の強みを探しアピールする
会計事務所に「この人を雇えば自分は得する」と思ってもらうためにはどうすれば良いのか?
そのためには、自分という商品の強みを知り、それをアピールする必要があります。
仮に、iPhoneを売ろうとした場合を考えて見ましょう。
- 日本でのシェアは圧倒的1位
- 機種のラインナップが豊富
- 操作方法がシンプル
- デザインが美しい
このような強みをアピールするとユーザーに購入されやすくなります。
では、あなたは自分の強みをすぐに思いつきますか?
自分の強みって意外に自覚できていないものなので、安心してください。
まずは、自分でじっくり考えて、思いついたものを一つ一つ紙に書き出してみて下さい。
次に、両親や友達、奥様、旦那様に聞いてみましょう。
「自分の強みを他人に聞くのは恥ずかしい…」と思うかもしれませんが、人生を左右する大事な転職活動です。
ここは念入りに自分の強みを洗い出しましょう。
どうしても他人には聞きずらい、という方は転職サイトのサービスを利用するのもおすすめです。
大手転職サイトのリクナビNEXTが無料で実施している「グッドポイント診断」は、診断に約30分ほど時間を要することもあり、かなり本格的です。
18種類の中から、自分の強みを5つ選択してくれます。
実際に僕がグッドポイント診断を行ってみたところ、「決断力」「現実思考」「独創性」「親密性」「柔軟性」という5つ強みがあると診断されました。
実際の診断結果は以下の通りです。
- 決断力
あなたは、非常に思い切りよく決断を下すことができます。
長時間考え込んでも良い結論にはつながらないと考えており、そのときに自身が最適だと考える明確な結論をスピーディに導き出すことを心がけています。
周囲の人から、「よく考えたうえでの結論なのか」と確認されることもあるでしょう。それは、あなたが周りと比べて短時間で大胆な決断を下していることを示しています。
決断力を周囲に認められたとしても、あなたが現状に満足して止まってしまうことはありません。知識の吸収やデータの活用などを積極的に行い、決断力をパワーアップさせることでしょう。- 現実思考
あなたは、等身大の自分を軸にして、現実的にものごとを考えることができます。
また、実際にものごとに取り組む際は、成果のみでなく、そこにいたるまでの努力の過程も大切にしています。夢物語にはあまり興味がなく、実際的なものこそ価値があると考えています。あなたにとって重要なのは、「今この時」であり、「現実」なのです。
あなたは常に具体的で現実的な提案を行い、実現可能な目標を定め、真摯に努力します。周りからは「地に足がついている」と表現され、その堅実性・実現可能性を評価されることが多いでしょう。- 独創性
「人と同じではつまらない」あなたはいつもそう考えています。
あなたはオリジナリティにこだわりをもち、仕事でもプライベートでも自身が納得できるかを重視します。あなたは、常識にとらわれず広い分野から情報を収集し、興味がある題材が見つかると自分だったらどうするか必ず考えるなど、自身の独創性をより高める努力をし続けます。
周囲の人はあなたのユニークな発想に魅力を感じ、次にあなたが創り出すものを楽しみに待っています。- 親密性
あなたは、常に謙虚な気持ちを持って人と接しています。
内面についても話せる深い信頼関係を築くことを望んでおり、交際範囲を大きく広げることにはあまり興味がありません。
相手との距離感が重要と考えるあなたは、知り合って間がない相手に対してまずは適度な距離を置いて接し、互いにとって心地よい距離を探りながら丁寧に信頼関係を構築していきます。「控え目・礼儀正しい」など、評価されることも多いでしょう。
多くの人が集まる場ではおとなしく見られることが多いあなたですが、深い信頼関係を構築できた相手とは互いの思いや内に秘めたパワーをしっかりと理解しあえているはずです。- 柔軟性
あなたは、好奇心旺盛で興味の範囲が広く、ものごとを柔軟にとらえることができます。
また、突発的なできごとに対して臨機応変に対応することも得意です。
何に対しても「もっとよいやり方があるはずだ」と考え、様々なアレンジを繰り返していくため、あなたの取り組みはどんどん進化していきます。あなたにとって、ひとつのやり方しか考えないことは悪なのです。
結果を出し続けていることが知れ渡るにつれて、周囲の人は改善したいことがある場合、あなたの視点やアイディアを求めるようになります。(引用:リクナビNEXTのグッドポイント診断結果)
グッドポイント診断で抽出された強みと、自分の経験を思い出してみて、具体的なエピソードを作りましょう。
例えば、僕の場合「親密性」が強みとして診断結果に挙げられています。
僕は前職を退職するときに「お客さんが僕の退職を悲しんで泣いてしまった…」という経験があります。
これは、お客さんと親密な関係を築くことができるという強みを説明するエピソードとして使えます(実際に使いました)。
会計事務所はクライアント企業「お金のこと」をほぼ全部把握しています。
場合によっては、社長の奥様やご家族よりも詳しく知っています。
誰でも、自分のお金の情報は信頼している相手でなければ公開しません。
このように、会計事務所の職員はクライアントと丁寧に信頼関係を構築することが求められます。
なので、会計事務所としても「この人ならクライアントのところへ訪問させても信頼関係を構築できるだろう」と感じてもらえます。
このように、自分の強みと体験談を上手く組み合わせて具体的なエピソードを作れば、職務経歴書や面接で自分の強みをアピールすることができます。
未経験者の場合、前職で築いてきた実績に基づく「具体的なエピソード」が採用の判断材料になることも多いです。
「クライアントと良好な人間関係を築くことが出来ます」と曖昧なアピールをしても、会計事務所の心を動かすことは出来ません。
具体的なエピソードがあって、始めてあなたの「強み」が威力を発揮します。
自分の強みは大体わかっているという方でも、隠れた強みが眠っているかもしれません。
会計事務所への転職を決意したらグッドポイント診断を一度やってみてください。
また、リクナビNEXTに「職務経歴」と「希望条件」を登録しておくと非公開求人からオファーが来ることもあります。もちろん、あなたの名前は「匿名」で公開されますのでご安心ください。
非公開求人は求職者から人気の企業である場合が多いです。
「30代」「未経験」という状況を考えると、転職できる確率を少しでもアップさせる戦略は積極的にゆるべきだと思います!
会計事務所への転職が有利になる資格・知識
会計事務所への転職では「実務経験」「年齢」「資格」が重視されます。
その中でも「実務経験の有無」は最重要ポイント。
実務経験で劣る方が会計事務所への転職を勝ち取るには、「資格」を武器にする必要があります。
では、会計事務所への転職が有利になる「資格」「知識」は以下の通りです。
- 税理士試験の科目合格
- 日商簿記2級以上
- 会計ソフトの知識
- FP資格
- パソコン・ネット関連の知識
1位:税理士試験の科目合格
30代未経験で会計事務所へ転職する場合、税理士試験の「科目合格」があると強いです。
中でも「簿記論」「財務諸表論」といった簿記系の科目が有利です。
なぜなら、会計事務所へ入社して最初に任されるのが「会計帳簿の作成」という簿記知識を必要とする仕事だからです。
会計帳簿の作成では、通帳や領収書、請求書といった資料を見ながら、情報を会計ソフトに仕訳として入力します。
そして、「貸借対照表」と「損益計算書」を完成させます。
各クライアント企業は、この貸借対照表と損益計算書の数字を見て経営判断をします。
ですので、早く正確な会計帳簿を作成することが非常に重要なのです。
会計帳簿は各クライアント企業が作成するのが基本ですが、人手不足や能力不足の問題で会計帳簿の作成を会計事務所に委託している企業も多いです。
会計事務所としては、税理士試験の簿記論または財務諸表論に合格しているなら、高度な簿記知識を持っているという認識です。
たとえ会計事務所が未経験だっとしても、高度な簿記知識を持っていれば入社後の教育もやりやすくなります。
なので、早々に「即戦力」として活躍できます。
また、異業種で働きながら税理士試験の科目合格しているとなると「この人はかなり本気だな」と評価されます。
転職活動した時、僕は財務諸表論に合格していました。
33歳、まったくの異業種から会計事務所への転職でしたが、税理士業界への本気度を察してもらえたのだと思います。
会計事務所としても中途半端な気持ちの人を採用して、早々に辞められては困ります。
このような理由から、税理士試験の科目合格は「簿記知識」「税理士業界に対する本気度」を強烈にアピールすることができます。
もし、科目合格が無くても「直近の税理士試験で59点で不合格」といった限りなく合格に近い場合は、科目合格として評価されるケースもあります。
不合格でもダメもとで点数を履歴書には書いておくことをおすすめします。
採用される可能性が少しでも高くなるなら積極的に実践しましょう!
2位:日商簿記2級以上
税理士試験の科目合格がない場合は、日商簿記2級以上があると有利になります。
会計事務所の仕事は税金の計算が中心と思われがちです。
しかし、先述したように新入社員は会計帳簿を作成する仕事が多いです。
ですので、簿記の知識は絶対に必要となります。
日商簿記2級でれば、全く簿記知識がない人でも頑張れば半年程度で取得できます。
日商簿記2級まででしたら、市販のテキストを利用して独学での取得も十分可能です。
Twitterや僕の周りでよく見かけるのは「スッキリわかる 日商簿記」というテキスト・問題集です。
ちなみに、Amazonの「簿記検定の売れ筋ランキング」でも1位となっている人気テキストです。
また、最初から税理士試験の簿記論・財務諸表論の取得を視野に入れているなら、予備校や通信講座が提供している簿記入門講座もおすすめです。
簿記入門講座を利用すれば、勉強時間が短縮できるので早く簿記論と財務諸表論の勉強始めたい方にはメリットがあります。
例えば、スタディング税理士講座では、簿財の学習に入る前に日商簿記3級レベルの知識を身につけるための「簿記入門コース」を設けています。
簿財2科目パーフェクトパックを購入すれば「簿記入門コース」と「簿財2科目」を89,800円で受講できます。
スタディングは大手予備校の1/6程度の価格なのでコスパ重視の方に向いています。
この価格なら奥様や旦那様もこころよくOKしてくれるのではないでしょうか。
⇒【スタディング体験談】仕事と子育てをしながら簿財2科目合格!
未経験で会計事務所へ転職するなら、やはり「簿記論」「財務諸表論」があると強いです!
現役税理士の僕がスタディングを徹底的に分析した記事もぜひ参考にして下さい!
30代未経験で、日商簿記も無いとなると採用される可能性は限りなく低いです。
3位:会計ソフトの知識
会計事務所は「会計帳簿の作成」が業務の大半を占めています。
具体的には仕訳の入力、訂正、試算表(B貸借対照表、損益計算書のこと)の分析などです。
これらの業務は全て「会計ソフト」を使って行うので、会計事務所に入ると会計ソフトを使い方をマスターすることが最初の関門となります。
会計ソフトが使えなければ、いくら簿記知識が豊富でもその効果は半減してしまいます。
また、会計事務所側も、会計ソフトの知識が少しでもあると教える手間が省けるので非常に助かるんです。
なので、会計ソフトの使い方に慣れておくと転職活動の時に強みとしてアピールできます。
会計ソフトと言っても色々メーカーがあります。
会計事務所でよく利用されている代表的なメーカーは「弥生会計」「TKC」「JDL」「エプソン」「ソリマチ」「freee」「MF(マネーフォワード)」です。
「たくさんあってなんだか難しそう…」て思われるかもしれませんが、どの会計ソフトも使用方法は基本的に同じです。
ですので、どれか1つに慣れておけば会計事務所に入ってから会計ソフトの使用方法で苦労することが少なくなります。
では、どの会計ソフトがおすすかというと、インターネットに接続してデータをネット上に保存する「クラウド」を利用した会計ソフトです。
近年、個人事業者のクラウド会計ソフトの利用が増加しています。
(出典:㈱MM総研)
クラウド会計ソフトの中でも、導入シェアが多い次の3つの中から、どれか1つを選んで慣れておけばOKです。
(出典:㈱MM総研)
- 1位「弥生会計(やよいの青色申告オンライン)」
- 2位「freee」
- 3位「MF(マネーフォワード)クラウド」
ちなみに、この3つは無料体験できます。
架空の取引を入力するのもつまらないので、自分の「家計簿」を作るのがおすすめです。
会計ソフトの勉強をしながら家計簿を作成し、家計の分析までできちゃいます。
転職前に無料体験を使いまくって会計ソフトの練習をしてみましょう!
4位:FP資格
FP資格があると会計事務所への転職が有利になります。
ただし、FP資格のみで会計事務所に採用される可能性はほぼありません。
あくまでも「税理士試験の科目合格」「日商簿記2級」を持っている人が、さらに有利になる資格としてお考え下さい。
会計事務所では、会計・税金のほかにも、生命保険・社会保険・年金・不動産・金融商品などのお金に関する幅広い知識が要求されます。
ですので、これらの知識をカバーしているFP資格を持っていると、採用される可能性がアップします。
FP2級の場合、「法人」に関する税金知識も試験範囲に入っています。
下はFP2級の試験範囲の「タックスプランニング」の部分を抜粋したものです。
- わが国の税制
- 所得税の仕組み
- 各種所得の内容
- 損益通算
- 所得控除
- 税額控除
- 所得税の申告と納付
- 個人住民税
- 個人事業税
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 消費税
- 会社、役員間および会社間の税務
- 決算書と法人税申告書
- 諸外国の税制度
- タックスプランニングの最新の動向
法人には法人税だけでなく「消費税」「法人事業税」「法人市民税」などが課税されます。
さらに、税務署に提出する法人税の申告書は、難解で素人では理解しずらいです。
FP2級まで勉強していれば「法人」に関係する税金知識をザックリと理解できます。
よって、FP2級があると転職活動で有利になりますし、転職後もスムーズに仕事に入れます。
先ほどご紹介したスタディングという通信講座にはFP講座もあります。
FP3級とFP2級セットで31,900円という低価格です。
30代未経験というハンディをカバーするためにも、FP2級までトライしてみるのも作戦の一つです!
5位:パソコン・インターネット関連の知識
パソコン・インターネット関連の知識があると会計事務所への転職が有利になります。
ただし、パソコン・インターネット関連の知識だけで会計事務所に採用される可能性はほぼありません。
こちらもFP資格と同様「税理士試験の科目合格」「日商簿記2級以上」を持っている人が、プラスアルファの加点をもらえる資格としてお考え下さい。
会計事務所も「電子申告」「データのクラウド化」「会計ソフトの利用」などパソコン、インターネットを使う頻度が高くなっています。
しかし、税理士の平均年齢は60歳以上が50%を超えており「高齢化」しています。
また、パソコンやインターネットに詳しい人が事務所内にいることも稀です。
ですので、パソコンやインターネットの知識があるだけで事務所内では非常に重宝されます。
これを聞くとすごく高度な知識をイメージされるかもしれません。
でも、安心してください。
パソコン・インターネットの知識と言っても専門的なものではありません。
「ワード」「エクセル」「メール」「パソコン周辺機器の操作」「ネット検索」といった、基本的なことで十分です。
特に、「ネット検索」が上手いと転職後に楽です。
税理士と言えども、税法条文を記憶しているわけではないので、分からないことはその都度ネットで検索する場合がほとんどです。
また、会計事務所には会計や税務だけでなく、様々なジャンルの相談や質問が寄せられます。
困ったときに素早くネットから答えを導き出せる能力は、会計事務所では非常に重要です。
また、「Wordpress(ワードプレス)」の知識があれば、会計事務所のホームページの編集もお手伝いできるので、面接の際にアピールポイントとして使えます。
このように、パソコン・インターネット関連の知識があれば会計事務所への転職が有利になります。
熱意を伝える
「自分の強み」「保有資格」も大事ですが、やはり「熱意」が最も採用を大きく左右します。
- なぜ税理士になりたいのか?
- なぜこの会計事務所を選んだのか?
ここで働きたいという熱意を相手に伝えることが重要です
客観的に見て「30代未経験」はやはり転職市場では不利です。
僕が実際に33歳で転職活動した時も、若い20代にはない「後がない危機感から出る必死さ」をアピールしました。
その結果、2か所から内定を得ることに成功しました。
海千山千(うみせんやません)を乗り越えてきた税理士なら、その人の「本気度」を見抜くことが出来ます。
30代未経験は不利であることを理解し、なりふり構わず熱意を伝えましょう。
「未経験」「簿記論のみ」で会計事務所に転職したら年収はいくら?
「東京都内」「未経験」「1科目合格」という条件で会計事務所(税理士法人を含む)に転職すると、転職1年目の年収は「約360万円」です。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「【100件調査】簿記論だけで会計事務所に転職したら年収いくらもらえるのか?」を参考にして下さい。
求人を探す方法
求人の探し方についてですが、以下のような方法があります。
- 知人からの紹介
- 大手予備校の合同就職説明会
- ハローワーク
- 転職サイト
- 転職エージェント
求人を探す方法 | 特徴 |
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僕は地方在住で、東京の会計事務所へ転職希望でしたので、一度に多くの会計事務所と面談できる「大手予備校の合同就職説明会」を利用しました。
僕が入社した会計事務所は、会場にたまたま会計事務所の職員も同行していました。
ですので、所長税理士と職員との関係性もなんとなく感じ取ることができました。
また、「税理士試験受験生の有無」「資格取得の応援」「男女比率」「年齢構成」「残業の多さ」といった内部事情もしっかりと職員から聞くことができたのでラッキーでした。
ここなら、税理士試験の勉強と仕事との両立が可能だと考え、入社することに決めました。
でも、職員と直接話して内部情報を聞けるなんて非常に稀なケースです。
求人を探す方法にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、あなたの状況に合った方法を選択してください。
もし、僕がこれから30代未経験で転職活動をするなら「転職エージェント」を活用します。
やはり、しっかりと内部の情報を理解したうえで入社したいからです。
中身が分からないところへ転職するほど怖いものはありません。
転職エージェントは会計事務所に訪問していますので、公開している求人情報では知ることができない内部情報を豊富に持っています。
会計事務所はホームページを持っているところも少ないです。
さらに、ホームページがあっても情報量が少なく、知りたい情報を得ることができない場合も多いです。
特に、税理士試験の受験生が職員の中にいるかどうかは重要です。
僕が入社した会計事務所には受験生の先輩がいたので、受験生は定時に帰ることが当たり前の環境でした。
ですので、定時で帰ることに「罪悪感」や「後ろめたさ」を感じることはありませんでした。
受験生がいない会計事務所の場合、繁忙期に定時で帰ろうとすると極悪人みたいに見られます。
そして、税理士試験で不合格になろうものなら居場所がなくてストレス溜まりまくりです。
いくら優秀な方でも、働く環境が悪いと試験に受からないと思います。
転職エージェントを利用するメリットは他にもあります。
それは、転職エージェントには優良求人が集まりやすいという点です。
雇用条件がいい人気企業には応募が殺到します。
すると、採用側も選考作業に大変な時間と労力を割かなければなりません…。
そこで、人気企業は「非公開求人」としておいて、条件にマッチした人材を転職エージェントに選別してもらっています。
このように、人気企業は転職エージェントを利用することで、人選の効率化を行っているのです。
また、コロナ禍で有効求人倍率も急降下しており、さらに未経験の会計事務所への転職。
会計事務所に精通した「転職のプロ」の手助けを受けるのが、転職を成功させるには必須です。
新型コロナウイルスの影響で、令和3年度の有効求人倍率は「1.13倍」とまだまだ低い水準です。
求職者1人当たりの求人数は少なく、転職の難易度は依然として高いです。
転職で失敗しないためにも、複数の転職エージェントからアドバイスや求人紹介をしてもらうことをおすすめします。
繰り返しになりますが、転職では「年齢が若いほど有利」です。
30歳と35歳とでは転職市場での価値は大きく違ってきます。
33歳未経験で転職活動をして感じたことは、「一番若い今」が最も採用されやすいということです。
会計事務所転職に強い転職エージェント
では、会計事務所への転職に強い転職エージェントを4社ご紹介します。
- ヒュープロ(Hupro)【特化型】
- リクルートエージェント【総合型】
- MS-Japan【特化型】
- ジャスネットキャリア【特化型】
ちなみに転職エージェントは全て無料で利用できます。
僕がおすすめするのは次の組合せです。
「総合型」と「特化型」の特徴は次の通りです。
総合型 | 特化型 | |
取扱い業種 | あらゆる業種 | 特定の分野のみ |
求人件数 | ◎多い | △少ない |
会計事務所業界の知識 | △乏しい | ◎豊富 |
それぞれの転職エージェントには一長一短があります。
では、何社くらい利用すればいいのでしょうか?
大手転職サイトのリクナビが行ったアンケートでは次のような結果が出ています。
転職エージェントの利用社数 | |
転職決定者 | 平均4.2社 |
全体 | 平均2.1社 |
転職に成功した人ほど、転職エージェントの利用社数が多いことが分かっています。
しかし、いきなり多くの転職エージェントに登録すると、キャリアアドバイザーとの電話やメールのやりとりが大変です。
なので、まずはリクルートエージェントと特化型転職エージェント1社という組み合わせをおすすめしています。
それから、リクルートエージェントを利用する理由ですが、何と言っても業界最大手で求人数が多いからです。
「地方」や「未経験可」の求人も豊富なので、会計事務所への転職をされる方は必ず利用した方がいいです。
また、当サイトで転職体験談を募集した際、リクルートエージェントの利用者が最多で、サポートに対する評判も好評価でした。
また、リクルートエージェントと特化型の転職エージェント1社を併用する理由は、会計事務所業界の知識を得るためです。
リクルートエージェントはどんな業種でも取り扱う「総合型」の転職エージェントなので、会計事務所業界の詳しい事情についてはキャリアアドバイザーごとに知識の差があります。
一方、今回ご紹介する3社の特化型の転職エージェントは会計事務所に特化しています。
業界に精通したキャリアアドバイザーがサポートしてくれますので、会計事務所業界に対する疑問をその都度聞くことができます。
このように、求人数が多い総合型で優良求人を見逃さないようにしつつ、特化型で会計事務所業界の情報を得ることが最も効率よく転職活動を進める方法です。
ヒュープロ(Hupro)【特化型】
ヒュープロ(Hupro)は「士業・管理部門」に特化した転職エージェント。
会計事務所の公開求人数は国内最多を誇っています。
ヒュープロの特徴は最速で理想の転職が実現できる点です。
AIによる通過率の高い求人の抽出と、会計事務所に精通したキャリアアドバイザーとの面談により「マッチング期間は平均21日間」と、業界相場の3分の1のスピード。
ヒュープロに掲載されている求人は「北海道」「東京都」「神奈川県」「埼玉県」「愛知県」「千葉県」「大阪府」「兵庫県」「京都府」「福岡県」の都市部が中心です。
都市部の会計事務所への転職ならヒュープロは絶対に外せない転職エージェントです。
ヒュープロは他の転職エージェントよりも細かい条件で求人検索できます。
「業種」「勤務地」「年収」のほか、36種類ものこだわり条件が設定ができます。
下は実際の検索画面です(画像をクリックするとジャンプできます)。
検索条件の中には「資格取得支援制度」という項目があります。
実際に検索してみると次のような求人がたくさん出てきました!
税理士試験と仕事を両立したい、あるいは科目免除のため大学院に通いたいといった方が求人を探しやすくなっています。
10年以上税理士業界にいる僕がヒュープロを徹底分析してみました「ヒュープロ(Hupro)の評判は?東京都内の会計事務所に転職したい人は必須!」
リクルートエージェント【総合型】
リクルートエージェントは「㈱リクルート」が運営する転職エージェントです。
圧倒的な知名度とブランド力を誇り安心感は抜群。
リクルートエージェントは会計事務所だけでなく、ああらゆる業種・職種を扱う「総合型」の転職エージェントで業界No.1の求人数を誇っています。
常に数十万件もの求人を保有しているのは魅力的です。
全国16か所に支社があり都市部以外の方にも幅広く転職をサポートしてくれます。
リクルートエージェントは「全ての方が登録すべき」転職エージェントです。
MS-Japan【特化型】
25年にわたり、経理・財務・総務・一般事務などの管理部門と士業に特化してきた転職エージェント。
「管理部門・士業特化型エージェントNo.1」の評価を受けており、経理などの管理部門、士業では絶大なサポート力を誇っています。
会計事務所にも強く、業界に精通したキャリアドバイザーが在籍しているのが魅力です。
全国の求人に対応していますが、支社がある「東京」「横浜」「名古屋」「大阪」の求人数が多いのが特徴です。
ジャスネットキャリア【特化型】
1996年に「公認会計士」が設立した会計・経理・財務・税務に特化した転職エージェント。
27年以上の歴史があり、会計業界に精通したキャリアドバイザーがサポートしてくれます。
ジャスネットキャリアの強みは転職後のミスマッチが少ない点です。
その理由は、役員・責任者への直接取材を通じ、会社の意思決定者とのパイプが太いことから「意思決定者に対して直接提案ができる関係性」を構築できているからです。
全国の求人に対応していますが、支社がある「東京」「名古屋」「大阪」の求人数が多いのが特徴です。
まとめ
- 転職活動は営業活動と同じと考える。
- 自分の強みを探し、アピールする(リクナビNEXTが実施している「グッドポイント診断」を利用するとよい)
- 有利な資格は「税理士試験の科目合格」「日商簿記2級以上」プラスアルファで「会計ソフトの知識」「FP資格」「パソコン・ネット関連の知識」があるとよい。
- 30代未経験は転職では不利。なので「熱意」をアピールする。
- 求人探しは転職エージェントを利用するとよい
30代未経験で会計事務所に転職するのは多少不利ですが、この記事で解説したことが実行できれば転職が決まる確率は格段に上がります。
ただ「強みのアピール」や「資格取得」は努力次第で何とかなりますが「年齢」だけは努力ではどうにもなりません。
ですので、転職を成功させるためには「今すぐ行動」これに尽きます。
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