【税理士が解説】会計事務所に向いている人・向いていない人の特徴

【税理士が解説】会計事務所に向いている人・向いていない人の特徴

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はらすけ
はらすけ
はじめまして、はらすけです。僕は限りなくブラックに近い中小企業を30歳で退職後に勉強を始め、約6年かけて税理士になりました。(詳細な自己紹介はコチラ

会計事務所の仕事に興味がある!

でも、どんな人が会計事務所に向いているのか気になりますよね?

結論から言うと、会計事務所に向いている人・向いていない人の特徴は以下の通りです。

会計事務所い向いている人 会計事務所に向いていない人
数字に強く分析が得な人 極端にコミュニケーション能力が低い人
真面目すぎない人 勉強する意欲が無い人
聞き上手な人 極端にパソコンやITに弱い人
不明点を調べる能力がある人 不真面目な人・真面目すぎる人
スケジュール管理ができる人
向上心がある人
コミュニケーション能力が高い人

僕は15年以上税理士として会計事務所で働いており、経験した会計事務所は東京都内と地方の2か所です。

また、他の会計事務所との交流もあるので、会計事務所の事情には詳しいです。

この記事が「会計事務所で働いてみたい!」という方のお役に立てば幸いです。

この記事でわかること

 

会計事務所に向いている人の特徴「7選」

会計事務所に向いている人の特徴「7選」

会計事務所の仕事に向いている人の特徴を「7個」挙げました。

7個すべてを満たさなくても会計事務所で働くことは可能なので、気楽な気持ちで読んでください。

目安としては7個中4個以上に当てはまれば理想です!

①数字に強く分析が得な人

数字に強く分析が得な人

数字に強く分析が得な人は会計事務所に向いています。

会計帳簿の作成や税金の計算など、会計事務所は常に「数字」と向き合っています。

クライアントの決算が近づくと、今期の利益を予測し、想定される納税額を分析する必要があります。

分析がぶれると、適切な節税対策などのアドバイスができなくなってしまいます…。

そのため、数字に強く分析が得意な人は、会計事務所向きと言えます。

②真面目すぎない人

真面目すぎない人

真面目すぎない人は会計事務所に向いています。

「真面目すぎちゃダメなの?」と疑問に思うかもしれません。

もちろん、会計事務所は税金の計算を扱うこともあり「真面目さ」は必要です。

しかし、過度に真面目すぎる人はストレスを溜めやすく、精神的に病んでしまいがちです。

会計事務所で長く働くなら、「基本的には真面目だけど、どこか肩の力が抜けていて完璧を求めすぎないタイプ」が向いています。

③聞き上手な人

聞き上手な人

人の話を最後までしっかり聞ける「聞き上手な人」は会計事務所に向いています。

適性な税務申告を行うには、税金に関する取引の見逃しがあってはなりません。

例えば、「お金が動かない取引」は会計処理の漏れが生じやすいです。

しかし、クライアントとの何気ない会話の中から、見逃していた取引が見つかるケースはとても多いです。

聞き上手な人は、このような見落としがちな取引を発見しやすく、会計事務所向きと言えます。

④不明点を調べる能力がある人

不明点を調べる能力がある人

不明点を素早く調べられる人は会計事務所に向いています。

会計事務所で働いていると、分からないことがたくさん出てきます。

会計や税務のことはもちろんですが、不動産や社会保障、金融商品のことなど出てくるジャンルは幅広いです。

不明点は主にインターネットで調べることになりますが、「信頼できる情報源に早くたどりつくこと」が求められます。

不明点を素早く調べられる人は、会計事務所に向いていると言えます。

⑤スケジュール管理ができる人

スケジュール管理ができる人

スケジュール管理が得意な人は会計事務所に向いています。

税務申告には必ず「期限」があります。

法人税、相続税、個人所得税、償却資産税、各種届出書など、会計事務所は一年中「期限」に追われています。

提出期限までに必要な書類を作成するには、期限から逆算してスケジュールを作り、それに沿って業務を進められる「スケジュール管理能力」が必要となります。

したがって、スケジュール管理が得意な人は会計事務所に向いています。

⑥向上心がある人

向上心がある人

向上心がある人は会計事務所に向いています。

例えば、「税理士資格を取ってスキルアップしたい人」や「バリバリ働いて年収をアップさせたい人」などです。

向上心がある人とない人と比べると、業務の質と量が上がるスピードが格段に違います。

会計事務所は頑張りが報われやすい業種です。

勉強を頑張って、税理士資格を取れば年収がアップしますし、独立開業も可能になります。

また、会計事務所の年収は担当する顧問先数に連動している場合が多いので、頑張り次第で年収もバンバン上がります。

このように、向上心がある人は会計事務所に向いています。

【関連記事】会計事務所の年収はどうやって決まる?

⑦コミュニケーション能力が高い人

コミュニケーション能力が高い人

コミュニケーション能力が高い人は会計事務所に向いています。

会計事務所の職員はクライアントや他の職員以外にも、金融機関や税務署、他の士業などと頻繁にコミュニケーションを取っています。

会計事務所で起こるミスの多くが、「情報伝達のミス」が原因です。

コミュニケーション能力が高い人は、「自分の意見を相手に正確に伝える力」「相手の意思を正確にくみ取る力」に長けているためミスも少ないのです。

このように、コミュニケーション能力が高い人は会計事務所向きと言えます。

会計事務所に向いていない人の特徴「4選」

会計事務所に向いていない人の特徴「4選」

これは会計事務所での仕事は難しいかも…という人の特徴を「4個」挙げました。

しかし、これらは後から改善できるので、該当したらといって落ち込まないでくださいね。

①極端にコミュニケーション能力が低い人

極端にコミュニケーション能力が低い人

極端にコミュニケーションが苦手な人は会計事務所に向いていません。

先ほどお話ししたように、会計事務所は日々様々な人とコミュニケーションを取っており、「情報伝達のミス」によるトラブルが最も多いと言っていいです。

そのため、極端にコミュニケーション能力が低いと、仕事上でのミスが増え、人間関係が悪くなる可能性があります。

会計事務所の規模は、数人から20人くらいの小さな事務所がほとんどです。

少人数の組織で人間関係が悪くなると、とても居づらくなり辞めてしまう可能性が高くなります。

したがって、コミュニケーションが極端に苦手な人には、会計事務所の仕事はおすすできません。

②勉強する意欲が無い人

勉強する意欲が無い人

勉強する意欲が無い人または極端に低い人は、会計事務所に向いていません。

会計事務所では会計や税金以外にも、知っておかなければならないことが沢山あります。

そのため、分からないことを積極的に学ぼうとする姿勢が大切です。

しかし、勉強する意欲が無い人は、その場しのぎで何回も同じ質問をする為、いつまでたっても知識の蓄積がありません。

会計事務所は少人数で組織されている場合が多く、このような職員が多いと業務効率が上がりません…。

したがって、勉強する意欲が無い人、または低い人は会計事務所に向いていないかもしれません。

③極端にパソコンやITに弱い人

極端にパソコンやITに弱い人

極端にパソコンやITに弱い人は会計事務所に向いていません。

会計事務所ではパソコンやインターネットを頻繁に利用します。

と言っても、高度な知識が必要なわけではありません。

会計ソフトや税務申告ソフトの操作、メール、簡単なExcel操作が出来れば問題ありません。

最初はできなくても、学ぶ意欲さえあれば短期間で問題なくマスターできます!

なので、パソコンやITが苦手だけど会計事務所の仕事に興味があるなら、事前にパソコンに慣れておくことをお勧めします。

④不真面目な人・真面目すぎる人

不真面目な人・真面目すぎる

不真面目な人は会計事務所に向いていません。

会計事務所は会計帳簿の作成や税金の計算など「お金」を扱う仕事です。

そのため、不真面目な性格の人は向いていません。自分の大事なお金の計算を、不真面目な人に任せたいとは思いませんよね。

一方、真面目すぎる人も会計事務所にあまり向きません。

クライアントからすれば真面目な人が自分を担当してくれることは嬉しいです。

しかし、真面目すぎる人は仕事を完璧にしようという意識が強く、非効率になりやすいです。そのため、仕事が溜まりストレスを抱えやすくなります。

会計事務所は一年中「期限」に追われていますので、仕事が溜まると相当なストレスです。その結果的、精神的に参ってしまうケースも多いのです。

このように、「不真面目な人・真面目すぎる人」は会計事務所には向いていないです。

会計事務所で一人前になるまで何年かかる?

会計事務所で一人前になるまで何年かかる?

会計事務所で一人前になる年数はおおよそ「2~3年」です

ザックリしたイメージは以下の通りです。

会計事務所で一人前になるまで!
会計事務所歴1年 会計事務所の仕事内容・スケジュールを理解できる。
会計事務所歴2~3年 上司や先輩のアドバイスを受けつつ、一人で顧問先を担当できるようになる。
会計事務所歴4年以上 会計事務所の仕事はほぼ一人でこなせるようになる。税理士資格がある人は独立も可能。

会計事務所歴1年

会計事務所に入って1年経つと、「会計事務所の仕事内容・1年間のスケジュール」を理解できるようになります。

新入社員は「会計帳簿の作成」が主な業務となるでしょう。

通帳や領収書、請求書を確認しながら会計ソフトに仕訳を入力し、貸借対照表と損益計算書を作成します。

先ほどお話ししたように会計事務所は常に「期限」に追われています。

1年目は、法人税、相続税、個人所得税、償却資産税、各種届出書などをどの時期に提出し、いつから準備に取り掛かるのかを上司や先輩の指導を受けながら学びます。

1年目が終わった段階では、「一人前になった」という実感はないと思います。

会計事務所歴2~3年

会計事務所で一人前と言えるのは「2~3年」です。

会計事務所歴が2~3年になると、頻繁に上司や先輩の指導は受けるものの、ほぼ一人で会計事務所の仕事ができるようになります。

会計事務所の求人を見ると「実務経験3年以上」としている事務所が多いのは、大体3年で一人前になるからだと思います。

3年の実務経験があれば、もし次の会計事務所に転職する場合も転職活動がかなり楽になります。

ですので、未経験で会計事務所に入ったら「3年」を一つの目標として頑張ると良いと思います!

会計事務所歴4年以上

会計事務所で4年以上働くと、会計事務所内でかなりの「戦力」となっています。

特別な案件以外は、ほぼ一人で仕事をこなせるため、仕事とプライベートのスケジュール調整しやすくなっているはずです。

この頃になると、後輩の指導なども業務として加わってきます。

また、税理士資格を持っている人が独立開業するのも、4年くらい実務経験した後が多い印象です。

会計事務所の雰囲気が悪いというのはホント?

会計事務所の雰囲気が悪いというのはホント?

僕は異業種から会計事務所に転職しました。

率直な感想を言うと、会計事務所は「雰囲気が悪いときもある」という印象です。

理由は様々ですが、主な理由は次の通りです。

会計事務所の雰囲気が悪くなる理由

  • 繁忙期でみんなイライラしている
  • 小規模なのでボスが常に近くにいる
  • 会計事務所の職員は「職人気質」の人が多い

会計事務所は閑散期と繁忙期の仕事量の差が激しく、繁忙期のときはどの会計事務所の職員もイライラしています。

繁忙期のタイミングで会計事務所に訪問した人は、間違いなく雰囲気が悪いと感じるでしょう。

また、会計事務所は数人から20人くらいの小規模のところが多く、いつも見えるところに「ボス(所長税理士)」がいるという環境です。

誰でもボスが間近にいると、黙って仕事に集中します。職員が黙々と仕事をしている様子を見ると雰囲気が悪いと感じるかもしれません。

最後に、会計事務所の職員は「職人気質」の人が多いという理由です。

職人なので、自分の仕事に対する責任感が強く、黙々と仕事に打ち込みます。集中している時は返事も素っ気なかったりするので、雰囲気が悪いと感じるかもしれません。

しかし、1年を通じて見れば和やかで和気あいあいとした時も当然あります。

販売やサービス、営業を経験してきた僕としては、他の業種と変わらないという印象です。

ただし、ここまでの話はホワイトな会計事務所の場合です。

残念ながら、会計事務所の中にはブラック事務所も存在します。

ブラック事務所の場合は慢性的に事務所の雰囲気が悪いです。

ブラック事務所の見分け方については下の記事を参考にして下さい。

【関連記事】ブラックは絶対にイヤ!会計事務所の見分け方のポイントを解説します

未経験で会計事務所への転職を成功させるには?

未経験で会計事務所への転職を成功させるには?

僕は33歳未経験で会計事務所への転職に成功しました。

転職を成功させるために一番大事なことは「自分がどうなりたいかを明確にすること」です。

あなたは将来どうなりたいの?

  • 税理士になって独立したい
  • とにかく収入を増やしたい
  • ワークライフバランスを保ちながら仕事をしたい

明確な目標がないと考えがブレブレになり、転職活動が長期化したり、最悪は転職先が決まらないなどの結果を招きます。

なりたい自分が明確になったら、あとは具体的な行動を淡々とこなすだけです。

僕が実際に取り組んだことはザックリ以下の通りです。

未経験で会計事務所転職を成功させるポイント
自己分析 自分の強みやスキルを明確にし、会計事務所でどのように活かせるかを考える。
業界研究 会計事務所のトレンドを調査し、業界の理解を深める。
履歴書・職務経歴書の工夫 自分の経験を会計事務所業務に関連付け、アピールポイントを明確にする。
面接対策 未経験であることを前向きに捉え、学ぶ意欲や適応力を強調する。
⑤ネットワーク構築 会計事務所の人とのとつながりを持ち、情報収集やアドバイスを受ける。
⑥資格取得 資格を取得し、未経験でも即戦力になれるよう準備する。
⑦柔軟性を持つ 最初は契約社員など、正社員以外の雇用形態も視野に入れる。

これを見ると、やることが沢山あって面倒だな…と心が折れそうになるかもしれません。

しかし、①②③④については転職エージェントが全面的に支援してくれるので、仕事をしながらでも意外に楽に転職活動ができます。

転職エージェントを活用した転職は「会計事務所・税理士に強いおすすめの転職エージェント5選」を読めば全て理解できます。

記事内容

  • おすすめの転職エージェント5選
  • 失敗しない転職エージェントの利用方法
  • ピッタリの転職エージェントを絞り込む診断テスト

会計事務所に向いている・向いてないに関するよくある質問

どんな人が会計に向いている?

会計は、会社のお金の流れを記録・計算・整理し、経営の状況を把握するためのシステムです。

会計に向いているのは次のような人です。

「会計」に向いている人

  1. 数字に強い人
  2. 注意深い人
  3. 几帳面な人
  4. 論理的な考え方ができる人

会計事務所1年目の年収はいくら?

未経験で会計事務所に転職した時の1年目の年収は「約300万円」です。

しかし、300万円はあくまでも目安です。

税理士試験の「簿記論」に合格している場合の、未経験者の1年目の年収を調査した記事があるので、1年目の年収が気になる方は参考にして下さい。

【関連記事】簿記論1科目だけで会計事務所に転職したら年収いくらもらえる?

未経験で会計事務所に転職するにはどんな資格が必要?

簿記系資格は必須です。具体的には「日商簿記2級以上」が一般的です。

ただし、会計事務所によっては「日商簿記3級」だけでもOKだったり、「税理士試験の科目合格」を要求される場合もあります。

ちなみに、FP資格だけで会計事務所に転職するのは難しいです。FP資格はあくまでも「加点」という位置付けとしてお考え下さい。

【関連記事】社会人におすすめの税理士試験の予備校・通信講座「4選」

会計事務所で働きながら税理士になれる?

働きながら税理士になることは可能です。

僕も会計事務所で働きながら税理士資格を取りました。定時に帰宅し、その後は予備校で勉強という毎日です。

会計事務所は人手不足で困っているところも多く、受験を応援してくれる会計事務所をよく見かけるようになりました。

試験勉強のために時短勤務にしたり、税法免除の大学院に通えるように仕事量を調整したりと内容は様々です。

働きながら税理士を目指したい人は、「資格取得支援制度あり」「資格受験者歓迎」「時短勤務あり」「残業少なめ」「フレックス制度あり」などと書かれた求人を探すと良いと思います。

 

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会計事務所の仕事についていけない時はどうすればいい?

会計事務所の仕事についていけないと感じたときは「相談」するのが一番です。

相談相手は「所長税理士」「先輩」「同僚」「他の会計事務所で働いている友人」などです。

相談相手を選ぶ、ポイントは会計事務所の仕事内容をよく理解している人を選ぶという点です。

もし、身近に相談相手がいない場合は、会計事務所に特化した転職エージェントに相談すると良いでしょう。

彼らは会計事務所の仕事を熟知していますし、他の会計事務所の給料水準や仕事量、残業などの情報も持っているので客観的な意見が聞けます。

転職エージェントは今すぐ転職する気がなくても利用できるので、気軽に相談してみましょう。

悩みは一人で抱え込むべきではありません。

 

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