法人税法の難易度「★★★★★」
法人税法難易度はマックスの「5」です。
法人税法は、税法科目のなかでも学習するボリュームが非常に多い科目です。
問題構成は理論問題が50%、計算問題が50%となっています。
「法人税」は会社の利益に対して国が課す税金です。したがって、実務で非常に利用頻度が高い税法といえます。
また、多くの税理士の収入源は「法人からの顧問料報酬」となっていることから、実務での利用頻度を考えると出来れば取得しておきたい科目です。
しかし、学習のボリュームが非常に多いため、社会人が仕事をしながら受験する場合、少しでも合格する確率を上げようとするなら、1年で法人税法1科目に的を絞らざるを得ないと思います。
仮に、法人税法1科目に的を絞ったとしても、合格レベルに達するにはかなりの時間と労力を必要とするので、働きながらの受験する場合は合格までに、2~3年はかかるものとして覚悟してチャレンジしましょう。
また、税理士になるには選択必須科目の「法人税法」「所得税法」のどちらかをクリアしなければならず、特に法人税法は実務上での利用頻度の多さから人気が集中しています。
さらに税理士試験は合格率が約15%の相対試験。
結果として合格できない受験生が滞留する「ボトルネック」となっていることが、法人税法の難易度をさらに上げています。
法人税法の受験者数は「実務での利用頻度が高い」「選択で必須科目となっている」という理由で、「簿記論」「残務諸表論」「消費税法」に次ぐ4番人気です。
直近の「2024年第74回税理士試験」の受験者数と合格率は以下の通りです。
受験者数(人) | 合格者数(人) | 2024年合格率(%) | 受験者数占有率(%) | |
簿記論 | 17,711 | 3,076 | 17.4 | 35.7 |
財務諸表論 | 13,665 | 1,099 | 8 | 27.5 |
所得税法 | 1,195 | 150 | 12.6 | 2.4 |
法人税法 | 3,583 | 588 | 16.4 | 7.2 |
相続税法 | 2,515 | 471 | 18.7 | 5.1 |
消費税法 | 7,206 | 740 | 10.3 | 14.5 |
酒税法 | 528 | 64 | 12.1 | 1.1 |
国税徴収法 | 1,670 | 217 | 13 | 3.4 |
住民税 | 461 | 84 | 18.2 | 0.9 |
事業税 | 249 | 34 | 13.7 | 0.5 |
固定資産税 | 893 | 161 | 18 | 1.8 |
合計(延人員) | 49,676 | 6,684 | 13.5 | 100.0 |
(出典:国税庁HP)
直近7年の受験者数(所得税法、法人税法、税理士試験全体)は次の通りです。
法人税法の受験者占有率は年々減少しており、受験生が法人税法を避ける傾向にあることが分かります。
法人税法 | 全体 | 法人税法の占有率(%) | |
2024年(令和6年)第74回 | 3,583 | 49,676 | 7.2 |
2023年(令和5年)第73回 | 3,550 | 46,956 | 7.6 |
2022年(令和4年)第72回 | 3,454 | 40,430 | 8.5 |
2021年(令和3年)第71回 | 3,532 | 37,673 | 9.4 |
2020年(令和2年)第70回 | 3,658 | 36,845 | 9.9 |
2019年(令和元年)第69回 | 4,260 | 41,158 | 10.4 |
2018年(平成30年)第68回 | 4,681 | 42,063 | 11.1 |
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法人税法の合格率推移
法人税法の合格率の推移(青線)は以下の通りです。
直近16年間は、全11科目の平均合格率と比較すると低めの合格率で推移しています。
しかし、2024年は初めて全体の合格を上回っており、来年以降も高い合格率になるのか注目されます。
最後に
法人税法は実務での利用頻度も高く、できれば受験したいとお考えの方も多いと思います。
しかし、法人税法はとてつもない量の条文を暗記する必要があるので、かなりの覚悟が必要とされる科目です。
税法科目特有の「条文の丸暗記」が受け入れられないという方は、大学院で税法科目の2科目免除を検討するのもアリだと思います。
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