【ガチ解説】税理士を40代から勉強して目指すのは可能?具体的な方法を現役税理士が解説

税理士を40代から勉強して目指すのは可能?具体的なステップを解説

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はらすけ
はらすけ
こんにちは、税理士のはらすけです。

僕はFラン大学卒(理系)で、限りなくブラックに近い中小企業を30歳で退職、それから勉強を始めて6年かかって税理士になりました。(プロフィールの詳細

2019年5月、トヨタの豊田社長は終身雇用について次のように発言しました。

「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」

さらに、物価が高騰する中、給料は全く上がらないという方も多いでしょう。

今後もこの流れは続くものと思われます。

会社に頼らず自分の力で稼げたら…

その解決策として、税理士資格の取得を検討されている方も多いと思います。

ちなみに、勤務税理士(サラリーマン税理士)の平均年収は男性約700万円、女性約600万円。税理士として独立開業すれば年収1,000万円を超えることはかなり現実的です。

この記事では「40歳から勉強して税理士を目指す方法」について解説します。

結論から言うと、40歳なら税理士になるのは可能です。

実際に、60歳から勉強を始めて税理士になった方もおられます!

【税理士合格体験記】60歳からのチャレンジ! 働きながら、大学院に通いながら、独学で「簿・財・消」に合格 (会計人コースWeb)

アラフォーだからって税理士になる夢を諦めるのは早いです。

そこで今回、僕が今現在40歳で本気で税理士を目指そうとした場合、どう行動するか真剣に考えてみました。

具体的に次のような家庭環境を想定しています。

想定している人物像
  • 40歳既婚(共働き)
  • 子ども2人
  • 住宅ローンあり
  • 会計・税務系の仕事は未経験
  • 独立開業も視野に入れている

40歳からでも税理士になることは可能ですが、間違った手順で進めると「税理士になれず挫折…」「10年後も受験生…」といった結果になる可能性もあります。

しかし、これからご紹介する方法なら早く、高い確率で税理士になれますので、ぜひ参考にして下さい。

僕も今回ご紹介する手順で税理士になりましたので、効果は実証済みです。

僕は偏差値30台のFラン大学卒で税理士になるまでに6年かかりましたが、これを読んでいる優秀なあなたなら5年以内で税理士になることも可能だと思います。

税理士になるには平均10年かかるとも言われており、5年以内で税理士になれば相当早い方です。

では具体的な手順をご紹介する前に、税理士試験の概要をザックリと説明します。

既に税理士試験の概要をご存じの方は飛ばしてください。

 

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2023年8月3日

税理士試験の概要

税理士は「国家資格」であり、試験は1年に1回だけ8月上旬~中旬に実施されます。

過去の実施スケジュールについてはこちらの記事「2024年(令和6年)実施の第73回税理士試験の日程を予想してみた!」を参考にして下さい。

税理士になるには、受験科目11科目のうち、会計科目・税法科目あわせて5科目に合格する必要があります。

受験科目の中には「受験資格が必要な科目」「必須科目」があるので注意が必要です。

1 簿記論 どちらも必須科目 会計科目(受験資格なし)
2 財務諸表論
3 法人税法 どちらか1科目必須 税法科目(受験資格が必要)
4 所得税法
5 相続税法 選択科目
6 消費税法
7 酒税法
8 国税徴収法
9 住民税
10 事業税
11 固定資産税

 

ちなみに、最も人気がある科目の組合せは簿記論」「財務諸表論」「法人税法」「相続税法」「消費税法です。

税理士試験は「部分合格制」なので、毎年1科目ずつ受験しても構いません。

一度合格した科目は一生涯有効なので、自分のペースで勉強できるのが税理士試験の魅力でもあります。

ただ、税理士試験には「受験資格」が必要な科目があります。

  • 会計科目⇒誰でも受験できる
  • 税法科目⇒受験資格が必要

税法科目の受験資格を得るには「学識による受験資格」「資格による受験資格」「職歴による受験資格」の3つがあります。

なお、税理士試験は「年齢」や「国籍」の要件はありません。

40歳から税理士を目指す方法

40歳からでも税理士になることは十分可能です。

実際に、税理士試験では40歳を超える方が毎年たくさん合格されています!

令和5年(2023年)第73回税理士試験(学歴別・年齢別)

(出典:国税庁HP

繰り返しますが、正しい手順で進まなければ「税理士になれない」「10年たっても受験生」という結果になりかねません。

40歳から税理士を目指す具体的なステップは次の通りです。

では、詳しく解説します。

ステップ①覚悟を決める!

最初の心構えは重要です。

税理士試験は得点上位者が合格する「競争試験」なので、ライバルに勝たねば合格できません。

ライバルには「大学生」「会社を辞めて受験に専念」といった、毎日勉強しまくってる人もざらにいます。

また、前年の試験で不合格になり再チャレンジする人もいます。

これらの強豪ライバルに勝つには「家族との時間」「自分が大好きな趣味」を何年も我慢することになるかもしれません…。

税理士資格は国内屈指の難関資格。

「大切なものを断ってでも税理士なる!」という覚悟を持つ必要があります。

税理士試験で挫折しないメンタルを作る方法はこちらの記事「税理士試験で挫折しないメンタルになる方法を解説します!」で詳しく解説しています。

【要ブクマ】税理士試験で挫折しないメンタルにする方法を解説します!

【要ブクマ】税理士試験で挫折しないメンタルになる方法を解説します!

2023年11月2日

ステップ②勉強ができる環境を作る

覚悟が決まれば次は具体的な行動です。

税理士になるうえで一番大事なのが、この「勉強ができる環境を作ること」と言ってもいいです。

後で詳しく解説しますが、税理士試験に合格するには年間1,000時間(1日2~3時間)は勉強時間が必要になります。

税理士になれるかどうかは、年間1,000時間以上の勉強時間を捻出できるかどうかにかかっています。

勉強時間を捻出する方法は以下の通りです。

  1. 早起きする
  2. 趣味の時間を減らす
  3. 残業・休日出勤をやめる
  4. テレビを見ることをやめる
  5. スマホでのネットサーフィンをやめる
  6. スキマ時間(通勤時間、待ち時間など)を活用する

実はこれらを組合わせれば、1日2~3時間の勉強時間は比較的簡単に捻出できます。

特にスマホの時間は無視できません。

ニールセン デジタルが2020年3月24日に発表した調査結果によると、1日の平均スマホ利用時間は3時間46分だそうです。

1年にすると1,374時間

「時間が無い」と言いながらも、スマホ時間はしっかり確保しているのが現状です。

1日の平均スマホ利用時間は3時間46分

出典:ニールセン

SNSやネットサーフィンの時間を利用するだけで、楽に年間1,000時間は確保できます。

税理士に絶対になるという覚悟が決まったら、勉強ができる環境を作りましょう。

ステップ③働きながら簿記論・財務諸表論に合格する!

勉強時間を確保できたらいよいよ勉強開始です。

まず「簿記論」「財務諸表論」の合格を目指します。

会計科目である「簿記論」「財務諸表論」は税理士試験の必須科目、しかも令和5年から受験資格が撤廃されました。つまり、簿記論と財務諸表論は誰でも受験できるのです!

できれば、現在お勤めの会社で働きながら簿財の合格を目指すことをおすすめします。

ご家族の生活のことを考えると、合格科目ゼロで退職してしまうのはリスクが高いです。

早く方向転換したい気持ちはよく分かりますが、会社を辞めるのは合格という「実績」が出てからにしましょう。

では、最初に簿記論・財務諸表論の合格を目指す理由について解説します。

簿記論・財務諸表論は合格率が高い

簿記論財務諸表論の合格率は他の科目よりも合格率が高いです。

直近の2023年第73回試験の結果は以下の通りです。

受験者数(人) 合格者数(人) 2023年合格率(%) 受験者数占有率(%)
簿記論 16,093 2,794 17.4 34.3
財務諸表論 13,260 3,726 28.1 28.2
所得税法 1,202 166 13.8 2.6
法人税法 3,550 497 14.0 7.6
相続税法 2,428 282 11.6 5.2
消費税法 6,756 802 11.9 14.4
酒税法 463 59 12.7 1.0
国税徴収法 1,646 228 13.9 3.5
住民税 462 68 14.7 1.0
事業税 250 41 16.4 0.5
固定資産税 846 146 17.3 1.8
合計(延人員) 46,956 8,809 18.8 100

(出典:国税庁HP

直近15年の合格率推移を見ても簿記論と財務諸表論の合格率が高いことが分かります。

2023年令和6年第73回税理士試験(簿記論と財務諸表論の合格率推移)

税理士試験は国内屈指の難関資格。

「やる気はあるけど税理士試験に通用するんだろうか…」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

僕が今回ご提案している方法では「3科目に合格」「会計事務所への転職」「大学院卒業」と困難なハードルが3つあります。

その中でも、一番難しいのが3科目に合格すること。

実際、税理士試験に全く通用しなくて撤退する方も非常に多いです。

この不安を取り除くには、とにかく1科目に合格するしか方法はありません!

1科目合格すると「自分でも税理士試験に通用するんだ!」という大きな自信に繋がります。

さらに、あなたの奥様や旦那様も「もしかしてホントに税理士になれるかも!」と益々応援してくれるでしょう。

まずは合格率が高い簿記論・財務諸表論から始めて1科目に合格しましょう。

1科目に合格すれば自分に自信がつきます!

簿記論・財務諸表論があると会計事務所に転職しやすい

簿記論または財務諸表論に合格すると会計事務所への転職が有利になります。

税理士を目指すなら会計事務所での実務経験は避けて通れないと言ってもいいです。

会計事務所の主な仕事は、クライアント(法人や個人事業主)の会計帳簿作成、税務申告書の作成です。

中でも、会計帳簿の作成はとても重要な業務であり、最も多くの時間を費やします。

ですので、会計事務所に転職するためには「高度な簿記知識」は必須です。

高度な簿記知識を持っている証拠となるのが「資格」です。

簿記系の資格があれば会計事務所に転職しやすくなります。

具体的には、最低でも日商簿記2級はあった方がいいです。

理想をいえば、日商簿記1級か税理士試験の科目合格(簿記論または財務諸表論)があると転職活動が楽です。

僕が転職活動を行っていた時も、応募要件に「税理士試験の科目合格」を挙げている会計事務所は非常に多かったです。

なので、僕でしたら1年間、死ぬ気で「簿記論」または「財務諸表論」を取る勉強をします。

税理士試験では、1科目も取れずに途中で止めてしまう人も多いです。

そのことは税理士ならだれでも知っています。

税理士試験の科目合格があると、「本気で税理士になりたい」という意思をアピールできます。

会計事務所の所長税理士と言えど「人」です。

熱意をもってチャレンジしている人を無下に扱うことは少ないはずです。

簿財があればつぶしが利く

簿記論・財務諸表論に合格すれば「つぶし」が利きます。

簿記論または財務諸表論に合格していれば、仮にあなたが税理士になることを諦めてしまっても、一般企業の経理への転職という選択肢があります。

僕の友人は簿財2科目に合格して、国内の超有名メーカーの経理職に転職しました。

上場企業の経理職でも簿記論・財務諸表論に合格している人は少ないです。

ですので、中小零細企業の経理職であれば40代でも経理として転職は十分可能です。

このように、簿記論・財務諸表論に合格すれば「経理職」という選択もできます。

簿財は受講コストが安い

簿財は受講コストが安いです。

税理士試験の勉強は予備校・通信講座を利用するのが一般的。

主要な予備校・通信講座4社の受講料を比較すると次の通りです。

スタディング クレアール 資格の学校TAC 資格の大原
簿財2科目 74,800円 230,000円 390,000円 383,000円
法人税法 63,800円 215,000円 235,000円 253,000円
相続税法 63,800円 180,000円 250,000円 253,000円
消費税法 63,800円 130,000円 155,000円 157,000円
5科目合計 266,200円 755,000円 1,030,000円 1,046,000円

個人的には「簿財はスタディング」「税法科目は大手予備校」がベストだと思っています。

簿財2科目を大手予備校の「TAC」や「大原」で受講すると年間約40万円の受講料が必要です。

年間40万円という受講料を聞くと、ご家族から反対されることも予想されます。

あなた自身もいきなり40万円もの大金を投じて挫折したり、全く歯が立たなかったときのことを想像すると決断に迷うと思います。

あとで詳しく解説しますが、僕が今回ご紹介している方法では「大学院での税法2科目免除」を利用します。

ですので、大学院の学費(総トータル約200万円)がかかります。

後に発生する大学院の学費を考えると、予備校や通信講座のコストはできる限り抑えておきたいです。

近年、スマホで税理士試験の勉強ができるスタディングという通信講座が社会人を中心に人気を集めています。

受講料も「簿財2科目合計で74,800円」と非常にリーズナブル。

大手予備校の1/5程度の価格です。

この価格なら奥様や旦那様もこころよくOKしてくれるのではないでしょうか。

⇒【スタディング体験談】仕事と子育てをしながら簿財2科目合格!

税法科目の受講料は1科目で年間63,800~250,000円必要。

一方、スタディングで簿財を受講すると簿財2科目セットで年間74,800円(1科目あたり34,700円)。

したがって、税法科目より簿財の方が受講コストが安いです。

投資の世界では「小さく始める」というのが鉄則。

資格取得は「自己投資」なので投資という意味では同じです。

しかし、スタディングが「安い」と言っても合格できなければ意味がありません!

そこで、実際にスタディングを使用して徹底分析しました。また、合格者たちの評判や口コミを分析して合格する利用方法についてもまとめました「スタディング税理士講座では受からない?評判・口コミを現役税理士が徹底解説」。ぜひ参考にして下さい。

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2023年8月3日

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2023年8月3日

ステップ④税理士試験に理解がある会計事務所に転職する!

簿記論または財務諸表論に合格できたら、次は会計事務所への転職です。

将来の独立開業を想定した場合にも、このステップは重要です。

会計事務所に転職する理由

なぜ会計事務所に転職する必要があるのか?

会計事務所への転職を目指す理由は次のとおりです。

会計事務所への転職を目指す理由
  1. 収入を得られる
  2. 仕事と勉強の両立がしやすい
  3. 独立に必要な実務経験が積める
  4. 税法科目の受験資格がゲットできる

①収入を得られる

当然ですが、会計事務所で働けば収入を得ることができます。

勉強中とは言え生活のために収入は欠かせません!

40歳といえば、結婚して幼稚園、小学校に通っているお子さんをお持ちの方も多いと思います。

さらに、住宅ローンを組んだばかりという方も多いのではないでしょうか。

無収入で何年も生活できる十分な貯金があれば「受験専念」という選択も可能です。

しかし、お子さんがいて住宅ローンもある場合、受験に専念できる方は少ないのが現実でしょう。

ご家族の生活を維持するためにも、継続的な収入はとても重要。

会計事務所に転職することで、生活に必要な収入を得ながら受験勉強に取り組むことができます。

②仕事と勉強の両立がしやすい

会計事務所は仕事と勉強の両立に適しています。

会計事務所には税理士を目指している職員が在籍していることが多いです。

税理士試験は合格までに何年もかかる「長期戦」。

同じ目標に向かっている先輩や同僚の存在はモチベーション維持に繋がります。

税理士になれるかどうかは、勉強を継続するモチベーション維持できるかどうかに掛かっていると言っても過言ではありません。

また、会計事務所なら周囲に隠すことなく思いっきり勉強できます。

一般企業で働きながら税理士試験を目指す場合、周囲には勉強していること秘密にする必要があります。

なぜなら、税理士を目指していることが職場の人にバレたら、「あいつは会社を辞める気だ!」ということで職場に居づらくなるからです。

長期間、コソコソ勉強するのは精神的にも疲れてしまいます…。

その点、会計事務所には税理士を目指している職員も多いので、勉強していることを隠す必要もありませんし。

さらに、合格した時には職場の方々と喜びを分かち合うことができます。

③独立に必要な実務経験が積める

会計事務所で働けば実務経験が積めます。

将来税理士として独立も視野に入れているなら、会計事務所での実務経験は絶対に必要です。

税理士として独立するには税理士登録する必要があります。

税理士登録するためには会計事務所等で2年以上実務経験を積まねばなりません。

会計事務所で働きながら勉強をすることで、税理士登録に必要な実務経験も同時に積むことができます。

「税務調査」「相続税申告」は税理士にとって重要な仕事ですが、テキストだけでマスターできるものではありません。

実務を数多く経験をしておいた方が、独立した時に絶対に有利です。

④税法科目の受験資格がゲットできる

会計事務所で働くと税法科目の受験資格をゲットできます。

簿記論と財務諸表論は誰でも受験できます。

しかし、法人税法や消費税法などの税法科目は受験資格が必要です。

既に受験資格がある方には関係ありませんが、高卒の方など受験資格が無い方には深刻な問題です。

でも、会計事務所等で2年以上実務をすれば税法科目の受験資格をゲットできます。

国税庁のHPには「職歴による受験資格」として次のように書かれています。

「税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者」

簿記論・財務諸表論の勉強をしている間に2年間くらいすぐに経過します。

簿財2科目に合格したころには、税法科目の受験資格もゲットできているという訳です。

高卒の方などが税法科目の受験資格を得るには「日商簿記1級に合格する」または「全経簿記上級に合格する」という手段もあります。

しかし、どちらも税理士試験1科目に近い「難易度」「勉強時間」「予備校・通信講座の費用」です。

40歳という年齢を考えると、受験資格のために多くの時間と労力をかけるのは避けた方が無難です。

会計事務所で2年以上働けば自動的に税法科目の受験資格をゲットできます。

税法科目の受験資格を取得する方法については、下の記事で詳しく解説しています。

高卒・理系卒が税理士試験の受験資格を取得する方法

2023年1月11日

「未経験」「簿記論のみ」で会計事務所に転職したときの年収

「東京都内」「未経験」「1科目合格」という条件で会計事務所(税理士法人を含む)に転職すると、転職1年目の年収は「約360万円」です。

もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「【100件調査】簿記論だけで会計事務所に転職したら年収いくらもらえるのか?」を参考にして下さい。

簿記論だけで 会計事務所に転職したら 年収いくらもらえるのか?

【100件調査】簿記論1科目だけで会計事務所に転職したら年収いくらもらえる?

2023年10月11日

税理士試験に理解がある会計事務所を選ぶ

会計事務所ならどこでも良いわけではありません。

受験勉強に取り組める環境がない会計事務所に入ってしまうと、逆に苦労するケースもありますので注意が必要です。

ですので、次のような会計事務所は全力で避けることをおすすめします。

こんな会計事務所は避けたい
  1. 残業がメチャクチャ多い
  2. 税理士を目指している職員がいない
  3. そもそも所長税理士が税理士試験に否定的

では、1つずつ解説します。

①残業がメチャクチャ多い

残業が多い会計事務所ですと勉強時間を確保できません。

個人差はありますが、税理士試験の合格レベルに達するには、1年で1,000時間以上の勉強が必要です。

平均で1日に3~4時間の勉強が必要となる計算です。

ですので、確定申告などの繁忙期(12月~6月)は仕方ないとしても、閑散期である7~11月でも夜10時や11時まで残業させられる会計事務所は絶対に避けましょう。

残業が多いかどうか確認する方法は、実際に会計事務所に行ってみることです。

会計事務所の閑散期である7月~11月でも夜遅くまで明かりがついているなら、残業が多い可能性が高いです。

会計事務所では職員に担当するクライアントが割り振られ、そこから得られた売上が給料に反映されます。

ですので、担当するクライアントの数が多いと残業も増えやすいです。

僕の個人的な感覚ですが、税理士試験の勉強をしながら会計事務所で働く場合、担当するクライアント数は「20件前後」にとどめておくと良いです。

残業があまりにも多い会計事務所に入ると、勉強時間が確保できず合格から遠のきます。

担当件数と年収との関係について詳しく知りたい方は、こちらの記事「会計事務所で1人が担当する件数は何件が適正?年収との関係は?」を参考にして下さい。

②税理士を目指している職員がいない

職場に受験仲間がいない場合、勉強がやりづらいです。

職員が高齢化しているなどの理由で、税理士試験の勉強をしている職員がいない会計事務所も結構あります。

仕事をさっさと終わらせて勉強したいけど、職場に税理士試験を受験している職員がいない場合、なかなか定時で帰宅しづらいことがあります。

職場に税理士を目指している先輩や同僚がいると、かなり帰宅しやすくなります。

周りの目を気にしない強いメンタルの持ち主であれば問題ありませんが、何年もそのような状況が続くのは精神的にもしんどくなります。

なので、会計事務所を選ぶ際は、受験生がいる事務所の方が良いです。

③所長税理士が税理士試験に否定的

事務所のトップが税理士試験に否定的だと、勉強がやりづらいです。

会計事務所のボスである所長税理士が、税理士試験に否定的なこともかなり多いです。

税理士試験に否定的な理由
  • 勉強よりも仕事をガンガンやって欲しい
  • 税理士になると独立して客を奪われるから勉強させたくない

経営方針は人それぞれですので、このように考えることが悪いわけではありません。

しかし、税理士を目指す側とすれば、受験勉強に全く理解が無い会計事務所はできる限り避けた方が無難です。

求人探しには転職エージェントを利用する

転職市場では「実務経験者」「ハイランク資格保有者」「20~30代の若い方」が有利となります。

当然ですが、転職はライバルの求職者たちに勝たねばなりません。

40代となると、体力や仕事を覚える速さ、フットワークの軽さなど若い方に劣ってしまう点があります。

転職において「40歳未経験」は不利となる要素です。

しかし、「簿記論」または「財務諸表論」の合格は間違いなくハイランク資格。

自信をもって転職活動に挑んで頂きたいと思います。

では、どうすれば税理士試験に理解がある会計事務所に出会えるのか?

転職先を探す方法には「ハローワーク」「知人からの紹介」「転職サイト」「転職エージェント」など色々あります。

僕でしたら転職エージェントを利用します。

僕が転職エージェントを利用する1番の理由は、転職エージェントは公開されている求人情報に書いていない内部情報を持っているからです。

事前に知っておきたい内部情報
  • 従業員の構成は(男女比・年齢など)?
  • 税理士を目指している職員はいるか?
  • 所長税理士が税理士試験に肯定的か?

このような内部情報は求人票に書いていない場合が多いです。

しかし、先ほど書いたように、税理士資格を目指すなら会計事務所の内部情報は無視できません。

転職で失敗しないためには、会計事務所と頻繁にコンタクトを取っている転職エージェントから内部情報を事前に入手することが超重要です。

また、初めて会計事務所に転職する場合、会計事務所に特化した転職エージェントであれば業界の特徴や注意点などを教えてもらえるというメリットもあります。

40歳という年齢を考えると、転職活動は早い方がいいです。

僕の経験上、年齢が1歳でも若い方が転職しやすいのは確かです。

また、一番問題なのが所長税理士との年齢関係です。

経営者とすれば、やはり自分より年下の職員の方が扱いやすいです。

所長税理士が60~70代なら、40代の方でも採用候補になるでしょう。

しかし、60~70代の所長税理士から、30~40代の2代目に経営権が移ると状況は一変します。

自分より年上の職員を採用することに抵抗がある人は多いと思います。

40代前後の方なら、一度や二度は年上の部下を持った経験があるかと思います。

余計に気を使うことも多く、扱いが難しいと感じた方も多いのではないでしょうか。

このように、会計事務所内で世代交代があると、採用される見込みが下がる可能性があるのです。

しかし、幸にも会計事務所は人手不足のところが多いです。

40代でも「資格」と「やる気」さえあれば採用される可能性はあります。

しかも、リクルートの調査(2022年8月)によると「転職後の賃金が1割以上増した人の割合は32.7%と過去最高値(2022年4~6月)」だそうです。

コロナも落ち着き、今は転職に絶好のタイミングなのかもしれません。

それから、未経験者の方は業界最大手の「リクルートエージェント」は利用した方がいいです。

リクルートエージェントの求人数は国内最大規模なので、未経験者でも日商簿記2級があればOKという求人も豊富ですし、地方の求人も充実しています。

また、東京や神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、福岡といった「都市部」の会計事務所を希望されるなら「ヒュープロ(Hupro)」がおすすめ。

ヒュープロは会計事務所(税理士法人を含む)の公開求人数が業界最多です。

ヒュープロ公式HPより引用

他業種から税理士を目指す場合、「未経験者可」「資格取得応援」などの絞り込みができるのは非常に嬉しいです。(画像をクリックすると検索画面にジャンプします)



「未経験者可」「資格取得応援」の条件でどんな求人が出ているのか、一度ご自身の目で確認してみて下さい!

「未経験者可」「資格取得応援」の会計事務所の求人一覧

会計事務所に強い転職エージェント、転職エージェントの効果的な活用方法については、コチラの記事「会計事務所・税理士に強いおすすめの転職エージェント『5選』」で詳しく解説していますので参考にして下さい。

ステップ⑤働きながら3科目を自力で取得する

税理士になるには、税理士試験の全11科目の中から「5科目」に合格する必要があります。

税法2科目は大学院で受験が免除されるとしても、残りの3科目は自力で税理士試験に合格する必要があります。

取得すべき具体的な科目は次の通りです。

税理士試験は市販のテキストや問題集だけでの「独学」で合格するのは非常に困難な試験です。

勉強には必ず「予備校」か「通信講座」を利用するようにしましょう。

税理士試験は競争試験なので、ライバル達に勝つには予備校や通信講座の利用は必須です。

40歳という年齢を考えると、一刻も早く資格を取り税理士としてバリバリ働きたいという方がほとんどだと思います。

「餅は餅屋」です。

本気で早期合格を目指すなら、「受験のプロフェッショナル」から教わるのがベストです。

税理士試験の独学をおすすめしない理由については、こちらの記事「税理士試験の独学が「無理ゲー」だと思う5つの理由」で詳しく解説しています。

失敗しない資格学校の選び方

税理士試験の予備校や通信講座は、自分の状況に合ったものを選ぶことがとても重要。

決して「高い教材だから合格できる」というわけではありません。

個人的には、「確保できる勉強時間」「毎年の学費に使えるお金」を基準にして選ぶことをおすすめしています。

勉強時間が膨大に確保できる大学生と、仕事や子育で時間がない40歳とでは使う教材が違って当然なのです。

僕は大手予備校とオンライン通信講座の両方を利用した経験から、その人の状況に合った教材を選ぶことが合格に近づくコツだと感じています。

僕が40歳から税理士を目指すなら、仕事の忙しさや家族の生活、大学院の学費を考慮し「簿財はスタディング」「税法科目は大手予備校」を選びます。

しかし、これはあくまでも僕の考えです。

どの教材も無料体験できますので、ご自身が納得がいくものを選んでください。

そして、「コレっ!」と決めたら他の教材に浮気せず、決めた教材でやり抜くことが合格のコツです。

社会人におすすめの税理士試験の予備校・通信講座を「確保できる勉強時間」と「毎年の学費に使えるお金」の視点から詳しく解説した記事はこちらです、ぜひ参考にして下さい。

2024年版【社会人向け】税理士試験の予備校・通信講座おすすめ「4選」

【社会人】税理士試験の予備校・通信講座おすすめ「4選」

2022年8月13日

最大の問題は「勉強時間」の確保

40歳から税理士を目指す上で、一番の問題は「勉強時間」の確保です。

繰り返しになりますが、この記事は次のような方を想定して書いています。

想定している人物像
  • 40歳既婚(共働き)
  • 子ども2人
  • 住宅ローンあり
  • 会計・税務系の仕事は未経験

40歳だと子供の年齢は5~15歳ぐらいのご家庭が多いのでしょうか…。

子供がいる家庭だと、どうしても「子供中心」の生活になりがちです。

保育園・学習塾・習い事・部活動への送り迎えや、遊園地や公園に連れて行って遊んだりと、仕事や家事以外にもやることが多いです。

そこで問題になるのが「勉強時間の確保」です。

税法に関する大学院に行けば税法2科目が免除されるとはいえ、3科目に合格するのはかなり大変。

税理士試験に合格するするには、膨大な時間を勉強に費やす必要があります。

それではどれくらい勉強時間が必要なのか?

下の表は、各予備校・通信講座が公開している「勉強時間の目安(1年)」です。

クレアール スタディング 資格の学校TAC 資格の大原 LEC東京リーガルマインド
簿記論 360時間 450時間 450時間 400時間 450時間
財務諸表論 360時間 450時間 450時間 400時間 450時間
法人税法 480時間 600時間 600時間 600時間 600時間
相続税法 370時間 450時間 450時間 520時間 450時間
消費税法 260時間 300時間 300時間 300時間 300時間
国税徴収法 150時間 150時間 170時間

各予備校・通信講座はこのような勉強時間を目安としていますが、実際は上記勉強時間の「1.5~2倍」必要です。

具体的な時間で言うと、1科目につき約1,000時間/年といったところです。(詳しくは、こちらの記事「簿財は令和5年の税理士試験から受験資格撤廃!勉強時間はどれくらい必要?」を参考にして下さい。)

どんなスケジュールになるかというとこんな感じです。

  • 平日2~3時間
  • 土日祝日5~6時間

仕事や家事育児をこなしながら、この勉強時間を確保するのは至難の業…。

さらに、子供の教育費や住宅ローンもあって、毎年何十万円という受講料はしんどい…。

そんな悩みを解消してくれるのがスタディングという通信講座です。

簿財2科目で59,800円から受講できるのも家計に優しいです。

「業界最安値」「スマホで勉強できる」という理由から社会人を中心に利用者が急増しています。

スタディングの累計利用者数は20万人超え!

KIYOラーニング㈱IR情報より引用

 

⇒【スタディング体験談】仕事と子育てをしながら簿財2科目合格!

 

また、ご自身で勉強時間を確保する努力も必要ですが、配偶者や両親など「家族の協力」も欠かせません。

「家族の理解が無ければ税理士になれない」と言っても過言ではありません!

税理士になって独立開業できれば、やり方次第ですが収入は青天井です。

その夢にご家族が賛同し、協力してもらうことが合格へのカギになります。

最初の合格までが一番しんどい!

いきなり「税理士を目指す!」と家族に言っても、きっと反対されると思います。

僕が税理士を目指すと決意したのは30歳(独身)の時でしたが、それでも両親にかなり反対されました。

税理士資格は国内屈指の難関資格。

最初は「無理だ、受かるはずない」と反対されても仕方ありません。

しかし、必ず「反対」から「応援」に変わるタイミングがあります。

それは「科目合格した時」です。

最初は反対されて少しやりづらいかもしれません。

しかし、最初の成果が出ると自分も自信が付きますし、ご家族の方々も「ほんとに税理士になれるかもしれない」という期待の気持ちに変わります。

とは言え、勉強から何年も遠のいていると、勉強の継続がものすごく難しいです。

僕が実践していた勉強の継続法についてこちらの記事「資格の勉強が続かない社会人は試してみて!Fラン卒から税理士になれた勉強法」にまとめていますので、ぜひ参考にして下さい。

また、僕は毎朝ツイッターで「継続のコツ」について発信しています。

おじ部|底辺から税理士になった男🔥@ojibu2020

なんとか諦めずに勉強を継続して欲しいという思いでツイートを続けています。

お陰様で、今では8,000名を超える方々にフォローされています(2024年4月時点)。

僕のツイートをモチベーションの維持に利用して頂ければ幸いです。

とにかく、最初の成果が出るまでが一番しんどいです!

ステップ⑥大学院で税法2科目免除を受ける!

早く確実に税理士になるには「大学院での税法2科目免除」は無視できません。

働きながら数年で税理士試験5科目に合格できれば理想的です。

しかし、5科目合格までには「平均10年」かかるとも言われています。

40歳から勉強を始めると、税理士になれるのが50歳です。

早く資格を取って稼ぎたいという方にとって10年は長すぎるかもしれません…。

受験科目の中でも「税法科目」は、学習ボリュームが多くインプットに時間がかかるものが多いです。

さらに、税理士試験は上位15%しか合格できない「競争試験」なので、仕事や子育てなどで勉強時間が確保しづらい方にとっては不利になる傾向にあります。

そのため、税法1科目に合格するまでに3~4年かかる方も多いです…。

下は、税法科目の中で受験者数が最も多い「消費税法」についてのデータです。

税理士試験・消費税法何年目で受かった?

Twitterより

40%以上の方が合格までに3年以上かかっていることからも、税法科目の難易度の高さが分かります。

僕自身も消費税法に合格するまでに4年かかっていますし、僕の周りにも同じ税法科目を何年も受験している方は普通にいます。

税法1科目×3年=9年!

これは、脅しではなく本当に起こりうる現実です。

僕が40歳から税理士を目指すとしたら、この賭けに乗る気になれません。

しかし、税理士試験には大学院を卒業すれば税法2科目の受験が免除されるという嬉しい制度があります。

2年で税法2科目を確実に取得できることは、早く資格取得して稼ぎたいという方には非常に大きなメリットです。

当然、学費はかかりますが2年で税法2科目を確実にゲットできれば、今後のことを計画しやすいです。

大学院は高卒でも進学できます!
大学院は高卒であっても「税理士試験の科目合格」や「実務経験」などから、大学卒者と同等以上の学力があると認められれば受験できます。

詳しくは各大学院にお問い合わせください。

社会人には嬉しい「通信制の大学院」もあります。

また、社会人のために「平日の夜間」や「土日」に開講している大学院も多いので、税理士試験に理解がある会計事務所なら働きながら卒業することも十分可能です。

実際に、僕の友人も会計事務所で働きながら大学院を卒業し、税理士になりました。

税理士試験が長期化するリスクを避けるには、大学院での税法2科目免除の利用は効果的です。

とは言え、大学院ならどこでも良いわけではありません。

しかも、相当な学費がかかります。

手持の資金で学費を捻出できるのがベストです。

もしも、手持ちの資金に不安があるなら、大学院には奨学金制度もあるので、低金利で学費(月額5~15万円)を借りることも可能です。

「無利子」で借りることができるプランもあるので、資金が不足気味なら検討してみると良いと思います(参考:2024年度入学者用「貸与奨学金案内」日本学生支援機構)。

通信制も含め、税法2科目免除が可能な大学院のリスト(開講時間・学費データあり)はコチラの記事「【2023年全国一覧】税理士試験の会計・税法科目免除が可能な大学院」に書いてあります。

【2024年全国一覧】税理士試験の税法免除・会計免除が可能な大学院

【2024年全国一覧】税理士試験の税法免除・会計免除が可能なおすすめの大学院一覧

2024年4月30日

大学院選びの参考にしていただければと思います。

ステップ⑦税法1科目に合格する

税法2科目は後に大学院で免除を受けます。

なので、税法1科目は自力で合格しなければ税法3科目を揃えることができません。

そこで、残りの税法1科目は何を受験すればいいのか悩む方もいらっしゃると思います。

結論から言うと、何でもOKです!

ただ、40代という年齢を考えると、人にもよると思いますが「記憶力の低下」が気になります。

ですので、僕でしたら学習ボリュームが少なくて、かつ実務での利用頻度が高い科目を選択します。

「9つ」ある税法科目を、「学習ボリューム」と「実務での利用頻度」で区分すると次のようになります。

学習ボリューム少ない 学習ボリューム多い
利用頻度高い
利用頻度低い

実務での利用頻度が高く、学習ボリュームが少ない科目は「相続税法」「消費税法」に絞られます。

さらに、この2科目を比較すると以下のようになります。

  • 【利用頻度】
    消費税法 > 相続税法
  • 【学習ボリューム】
    消費税法 < 相続税法

よって、選択すべき科目は「消費税法」ということになります。

しかし、あくまでも僕の意見です。

基本的には、あなたが興味が持てる科目を選択すればOKだと思います。

ちなみに、僕が所属している会計事務所には税法免除を受けた税理士が3人いますが、たまたま全員「消費税法」を選択しています。

消費税法と相続税法の難易度や合格率推移については下の記事を参考にして下さい。

 

ステップ⑧税理士として独立開業!

ステップ①~⑥をクリアできたら、あなたは税理士です。

そして、いよいよ税理士として独立開業です。

ここでは、独立開業の際の注意点を解説します。

一番注意して頂きたいのは「独立するタイミング」です。

順調な方ならステップ①~⑥を5年以内で完了しているはずです。

そうすると、会計事務所で働いている期間も3~4年といった感じでしょう。

資格を取ってすぐに開業したい気持ちは非常によくわかります。

しかし、ここまであなたを面倒見てくれた会計事務所の「恩」を忘れてはなりません。

会計事務所が未経験で、しかも税理士試験の勉強をしながら仕事ということは、あなたは利益を出せない字社員」になっている可能性が高いのです。

ですので、会計事務所としては、税理士資格が取れたらバンバン働いて稼いで欲しいと願っているはずです。

また、あなたの独立開業を応援してくれるにしても、将来のことを考えて、もっと実務経験を積むことを勧められるかもしれません。

ですので、独立開業するときは会計事務所の所長税理士としっかり話し合い、お互いが納得したうえで独立できるように心がけて下さい。

円満に独立開業できれば、顧問先を分けてくれる可能性もあります。

独立当初から売上があるということは、精神的にかなり楽です。

また、税理士業界は狭いので、ケンカ別れしてしまうと後々やりにくくなるだけです。

円満に独立開業できるよう、独立のタイミングは慎重に考えることをおすすめします。

何はともあれ、ここまで到達できたあなたは本当にスゴイと思います!

税理士試験に関するよくある質問

ここからは、税理士試験についてよくある疑問について解説します。

税理士になるまでに学費はいくら必要?

大学院での税法2科目を利用した場合、税理士になるまでにかかる予備校・通信講座・大学院の学費合計は「約160~450万円」です。

大学院を利用しない場合は「約36~210万円」です。

学校にかかる費用についてはこちらの記事「税理士の予備校・大学院の費用は総額でいくらかかる?」で詳しく解説しています。

税理士試験は何点取れば合格?合格率は?

税理士試験は「満点の60%取れば合格」です。

しかし、実際は成績上位者が合格する「競争試験」となっています。

税理士試験の合格率は「約15%」

直近の「2023年第73回税理士試験」の受験者数と合格率は以下の通りです。

受験者数(人) 合格者数(人) 2023年合格率(%) 受験者数占有率(%)
簿記論 16,093 2,794 17.4 34.3
財務諸表論 13,260 3,726 28.1 28.2
所得税法 1,202 166 13.8 2.6
法人税法 3,550 497 14.0 7.6
相続税法 2,428 282 11.6 5.2
消費税法 6,756 802 11.9 14.4
酒税法 463 59 12.7 1.0
国税徴収法 1,646 228 13.9 3.5
住民税 462 68 14.7 1.0
事業税 250 41 16.4 0.5
固定資産税 846 146 17.3 1.8
合計(延人員) 46,956 8,809 18.8 100

(出典:国税庁HP

勉強を始めるには簿記何級が必要?

「最低でも日商簿記3級レベルの簿記知識が必要」としている予備校・通信講座が多いです。

日商簿記3級レベルの知識を身につけるには、市販のテキストを使うのが一般的。

Twitterや僕の周りでよく見かけるのは「スッキリわかる 日商簿記3級」というテキストです。

ちなみに、Amazonの「簿記検定の売れ筋ランキング」でも1位となっている人気テキストです。

簿財取得を視野に入れているなら、予備校や通信講座が提供している簿記の入門講座もおすすめです。

簿記入門講座を利用すれば、勉強時間が短縮できるので早く簿財の勉強始めたい方にはメリットがあります。

例えば、スタディング税理士講座では、簿財の学習に入る前に日商簿記3級レベルの知識を身につけるための「簿記入門コース」を設けています。

簿財2科目の各コース+500円すれば「簿記入門コース」を受講できます。

現役税理士の僕が、業界最安値のスタディングを徹底的に分析し、利用者の評判や口コミをまとめた記事はこちらです。

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2023年8月3日

税理士になるには何年かかる?

税理士になるには「平均10年」かかるとも言われています。

税理士になるまで何年かかるのか詳しく解説した記事があるので、興味のある方はこちらの記事「社会人が税理士になるまで何年かかるのか?働きながら最短でなる方法も解説」を参考にしてして下さい。

簿記論・財務諸表論だけ取って意味ある?

簿財だけでも就職・転職で非常に役立ちます。

全ての企業が簿記を使って貸借対照表・損益計算書などの財務諸表を作成します。

会社にとって、財務諸表は税務署や銀行に毎年提出する超重要書類。

なので、経理がいない会社はありません。

簿記論・財務諸表論の保有者は、ハイレベルな簿記会計の知識があるとして転職市場で高く評価されます。

僕の友人は、30代前半で簿財2科目を取得、その後超有名メーカーに転職しました。

もし、簿記論・財務諸表論に合格して税理士試験に挫折したとしても、ハイレベルな会計知識は無駄になりません。

税理士の年収はいくら?

税理士の年収は「ピンキリ」です。

年収500万円の人もいれば、数千万円の人もいます。

というのも、税理士のほとんどは独立開業しているので、経営のやり方によって個人差が激しいのが現状です。

税理士の年収について詳しく解説した記事があるので「【税理士の年収】現実はいくら?女性税理士・勤務税理士についても解説」参考にして下さい。

まとめ

税理士資格は国内屈指の超難関資格。

越えなければならないハードルも多く、一つ一つのハードルを越えるのは決して楽ではありません。

しかし、難しい資格だからこそ独立して自力で収入を得ることが可能になります。

今までに多くの受験生を見てきましたが、合格する人はどんな困難な状況でも合格します。

先ほども書きましたが、最初の1科目に合格するまでが一番しんどいです。

でも、1科目に合格できれば、将来の不安で毎日ため息ばかりの日々からおさらばできます。

そして、将来に希望を持てる日々に変ります。

僕も同じ経験をしたので間違いありません。

この長い記事をここまで読み進まれたということは、相当な覚悟があるものと察します。

その覚悟と熱意があれば税理士になることも夢ではありません。

諦めず、しぶとくコツコツ努力すれば、必ず道は開けます!

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2023年8月3日

 

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