僕は簿記論、財務諸表論、消費税法の3科目に合格するまでに「8回」も落ちました。
税理士試験は勉強方法を間違えると不合格を連発する可能性があります。
この記事では、僕がやてしまった失敗経験をもとに「税理士試験に受からない人の特徴・勉強方法」をまとめました。
つまり、この記事でご紹介する方法と「逆」のことをすればスピード合格できます。
これから税理士試験に挑戦される方や、現在受験中の方の参考になれば幸です。
僕の失敗を「反面教師」としてご活用ください!
完璧にしたがる
全てを完璧にしようとする人は税理士試験に落ちます。
いわゆる「完璧主義」の方です。
一見すると「悪くないのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、税理士試験では弊害を生んでしまうのです。
アウトプット学習が不足する
一つ一つを完璧にしようとする人は、税理士試験本番までにアウトプット学習が不足しがちです。
僕は完璧主義な性格だったので、各講義を完璧に理解しないと次に進まないという勉強方法でした。
講義ごとに与えられるトレーニング問題も全部理解しないと次に行きません。
もちろんインプット学習も大切ですが、税理士試験はそれ以上にアウトプット学習が重要な試験です。
税理士試験は2時間で行われますが、問題量はとても2時間では解けない分量が出題されます。
ですので「簡単な問題を見分けて確実に解答する」ことが求められます。
これを習得するにはアウトプット学習を沢山するしかありません。
しかし、完璧主義の人はインプット学習に時間がかかりすぎて、アウトプット学習まで手が回らなくなります。
僕が不合格を連発してしまった原因は完全にアウトプット学習の不足でした。
全部解こうとする
先述したように、税理士試験では「簡単な問題を見分けて確実に解答する」ことが求められます。
しかし、完璧にしたがる人は全部の問題を解こうとします。
僕が利用していた大手予備校では、税理士講座は1年間かけて講義が行われます。
その間、確認テストや実力テストが行われます。
最初のうちは問題内容も簡単なので完答可能なレベルです。
しかし、だんだんと難易度が高い問題が出題されるようになると完答は無理!
なんですが…完璧主義の僕は全部解こうとしてしまうんですね。
税理士試験の問題を分類すると「必ず正解しないといけない問題」と「手を出してはいけない問題」の2つに分けられます。
問題を全部解こうとすると、正解しなければならない簡単な問題をケアレスミスし、手を出してはいけない難解な問題に時間をかけすぎるといった結果になります。
僕は全部の問題を解こうとした結果、何回も不合格になりました。
完璧主義の性格が悪いわけではありませんが、税理士試験だけを考えると悪影響の方が多い気がします。
到達地点を確認していない
勉強を始める前に「到達地点」を確認せず勉強を始めると試験に落ちます。
つまり、試験本番までにどのレベルまで仕上げれば合格できるのかを確認しておくという意味です。
例えば「登山」をする時、必ず到達地点を確認するはずです。
富士山(標高3,776m)の頂上なのか、高尾山(標高599m)の頂上なのかによって「準備するもの」「必要な体力」「登山時間」などが全く違います。
税理士試験も同じで、1年後に到達すべき学力を前もって知っておくことが大切です。
到達地点を知れば、1年間でどのくらい勉強しなければいけないのか、ある程度想像ができます。
「過去問題」を解くと税理士試験の到達地点を体感できます。
市販されている過去問題は各問題ごとに「ランク分け」されています。
- Aランク 落としてはいけない問題
- Bランク 正解するとライバルに差をつけられる問題
- Cランク 手を出してはいけない問題
最初はほとんど点数が取れないと思います。
ですので、模範解答と見比べながら時間をかけて解いてみましょう。
過去問題を何問か解いてみると「案外イケそう」「かなり勉強しないと無理かも」「この論点は毎回出題されてるな」とか感じるものがあるはずです。
僕は何も考えず予備校の講義を言われるがままに受講していましたが、最終的なゴールのイメージが自分の中に全くありませんでした。
ゴールが見えないととても走りにくいですよね。
到達地点を最初にイメージしておくことは税理士試験では重要かもです。
勉強時間が長いだけ
ただ勉強時間が長いだけの勉強方法では税理士試験に落ちます。
勉強を沢山することは合格のためには必要なことです。
ただ、途中から目的が「勉強を長くすること」に変わってくる場合があります。
僕が正しくそれでした。
ツイッターや予備校の勉強仲間の意見を聞くと「自分ももっと勉強しないと」と焦ります。
刺激を受けるのは良いのですが、とりあえず勉強時間を長くしようという試みは危険です。
受験生の目的はあくまでも税理士試験に受かること。
目的を達成するためには、今の自分に足らない部分を補強することが大切です。
今までに多くの受験生を見てきましたが、勉強時間が長い人が必ずしも合格しているとは限りません。
仕事や家事育児をこなしながら、少ない勉強時間で合格した人はたくさんいます。
⇒【スタディング体験談】仕事と子育てをしながら簿財2科目合格!
勉強時間も大切ですが「今、自分がすべきことは何か?」という的を射た勉強が合格には必要です。
モチベーションに頼る
モチベーションに頼ると勉強が継続できず、その結果試験におちます。
「え?モチベ―ションに頼るのは当然でしょ?」とお考えかもしれん。
勉強期間が数か月の短決戦ならモチベーションに頼るのも有りです。
しかし、何年もかかる長丁場である税理士試験ではそうもいきません。
僕自身も勉強を始めた当初は高いモチベーションを維持しようと色々と試してみました。
しかし、結果的にどれも上手く行きませんでした…。
そもそもモチベ―ションには「波」があるもので、それを高く維持し続けることは不可能だと途中で気が付きました。
では、どうやって勉強を継続するのか。
それは「習慣」です。
毎日勉強する習慣が身につけば、モチベーションに関係なく勉強をすることができます。
例えば、誰でも朝起きて必ず「歯磨き」をします。
「毎日頑張って歯磨きするぞ!」と思わなくても、朝起きると無意識に歯を磨くことができます。
毎朝無意識に歯磨きができるのは「習慣化」されているからです。
また、皆さんはスキマ時間ができたらかなりの確率でスマホを見ませんか?
これも「習慣化」によるものです。
このように、習慣化されるとモチベーションとは無関係に行動できます、というか「行動してしまう」のです。
したがって、長期戦である税理士試験では頼るべきは「モチベーション」ではなく「習慣化」なのです。
モチベーション頼りでは勉強の継続が難しいです。
勉強が続かなければ当然税理士試験にも受かりません。
税理士試験は超長期戦。
合格は勉強を習慣化できるかどうかにかかっています。
週末だけ勉強する
土日などの週末だけ勉強する方法だと税理士試験に落ちやすいです。
僕は働きながらの勉強でしたので、予備校の講義は土曜日、日曜日が中心。
自習も土日や祝日にまとめてやる方法でした。
この方法ですと無駄な復習時間が発生するため効率が悪いです。
勉強して次の勉強までに一週間近く空いてしまうと、前回勉強した内容の多くを忘れています。
とてつもない記憶力の持ち主なら問題ないのかもしれません。
しかし、僕のようなFラン卒の超凡人は、1週間も経つときれいさっぱり講義内容を忘れてしまいます。
なので、勉強を始めるとまず前回の勉強内容を復習して次の内容に行くという流れ。
この「記憶を呼び覚ます作業」が思った以上に苦痛です。
記憶を呼び覚ます作業に結構な時間を取られるので、新しい部分を勉強する時間が少なくなります。
すると一回の勉強時間が長くなるので、勉強に取り掛かるまでのハードルが高く感じサボりがちに…。
その結果、インプット学習もアウトプット学習も不足し不合格となりやすいです。
そこで、僕は「毎日勉強する」方針に変更しました。
「毎日5分以上勉強する」という誰でもクリアできる低いノルマを設定。
このノルマ設定をしてから勉強へ向かうハードルが低くなり、無駄な復習時間も無くなりました。
社会人の場合、週末しか時間が取れないという方も多いかもしれませんが、1日5分なら絶対に勉強できます。
週末に「ドカッ」と勉強するのではなく、毎日少しずつ勉強をした方が合格できます。
勉強できる環境が整っていない
税理士試験の勉強ができる環境が整っていなければ合格は難しいです。
残業や休日出勤が多い職場だと勉強時間の確保が難しく、良い環境とは言えません。
なんとか勉強時間を確保できたとしても仕事で疲れ果てているので、勉強に集中できないです。
疲れた頭にいくら知識を叩き込んでも本番で力を発揮するのは難しいです。
また、身近に受験生がいないのも良い環境とは言えません。
税理士試験は長期戦、最低でも3~5年は勉強を継続する必要があります。
同じ志を持った仲間が身近にいるだけで大きな効果があります。
僕は環境を変えるため、33歳の時に一般企業から会計事務所へ転職しました。
転職先の会計事務所には税理士試験の受験生がいたので、勉強の相談をしたり気分が乗らない時に一緒に飲みに行って息抜きをしていました。
また、税理士試験の勉強に理解がある職場だったので、残業も少なめで試験前に1週間ほど休暇をもらえました。
この環境が無かったら僕は税理士になれていなかったでしょう。
もし今の環境が悪いと感じるなら思い切って転職するのもありです。
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早く税理士試験に合格したいなら勉強環境を整えることは必須です。
税理士の目線からヒュープロの特徴や評判を徹底的に調査した記事はコチラ「ヒュープロ(Hupro)の評判は?東京都内の会計事務所に転職したい人は必須!」です、ぜひ参考にして下さい。
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独学にこだわりすぎ
独学にこだわりすぎると税理士試験に受からない場合があります。
独学とは「市販されている参考書・問題集を自分で選んで購入し、自分で学習計画を立てて勉強すること」を指します。
しかし、税理士試験は上位15%に入らなければならない競争試験。
受験生の多くが予備校や通信講座を利用しています。
実際に、第72回税理士試験(2022年)の官報合格者の内訳を見ると、620人中TAC受講生289人、大原受講生310人と大手の予備校・通信講座利用者が96.6%を占めています。
よほど勉強に自信がある天才ならともかく、普通の方なら予備校・通信講座を利用すべきです。
あなたの一番の目標は「独学で合格することですか?」それとも「早く税理士になってバンバン稼ぐことですか?」。今一度よく考えてみて下さい。
独学でなかなか成果が出なくて落ち込む必要はありません。税理士試験はそもそも独学で挑む試験ではないのです。
とは言え、予備校や通信講座が高額で手が出ないという気持ちもよく分かります。
僕もTACや大原の受講料を捻出するのに苦労した経験があります。
しかし、低価格でスマホ学習可能な通信教材「スタディング」が登場し、社会人を中心に人気を集めています。
簿記論・財務諸表論2科目で59,800円からと、ぶっちゃけ市販の教材を買うより安いです。
⇒【スタディング体験談】仕事と子育てをしながら簿財2科目合格!
税理士試験の独学をおすすめしない理由を、こちらの記事「税理士試験の独学は天才以外「無理ゲー」だと思う5つの理由」でさらに詳しく解説しています。
また、「スタディング税理士試講座を徹底分析した記事」「人気税理士講座4社を徹底比較した記事」もあるので、良かったら参考にして下さい。
官報合格にこだわりすぎ
官報合格にこだわりすぎると税理士になるのが遠のく場合があります。
5科目全てを税理士試験で合格すると名前が官報に掲載されるので「官報合格」と呼ばれています。
官報合格は税理士仲間でも一目置かれる名誉な称号。
しかし、目標が「早く税理士なること」なら、官報合格にこだわらず大学院での税法2科目免除という作戦に切り替えるのも有りです。
自分のプライドもあるかもしれませんが、あなたを見守るご家族や職場の方の気持ちを考えると、早く税理士資格を取って安心させてあげることも大事なことだと思います。
科目免除ができる大学院のリストはこちらの記事「【全国一覧】税理士試験の税法免除・会計免除が可能な大学院」で詳しく開設しているので参考にして下さい。
まとめ
以上、僕が失敗した勉強法について解説しました。
- 完璧にしたがる
アウトプット不足になり試験に落ちる! - 到達地点を確認していない
目標を理解していないとゴールできない! - 勉強時間が長いだけ
勉強時間よりも的を射た勉強を! - モチベーションに頼る
モチベはあてにならない「習慣化」に頼れ! - 週末だけ勉強する
凡人の記憶力なんて1週間ももたない! - 勉強できる環境が整っていない
身近な勉強仲間は強力な味方! - 独学にこだわりすぎ
目標は早く税理士になって稼ぐこと! - 官報合格にこだわりすぎ
ご家族を早く安心させてあげて!
勉強法は人によって千差万別。
今回ご紹介した勉強法で、合格できる人もいれば不合格になる人もいると思います。
自分に合った勉強方法に辿り着くには「とりあえずやってみる」という姿勢が重要です。
無駄を恐れてはダメです。
税理士になった人は漏れなく膨大な無駄を経験して合格にたどり着いています。
また、記事内で少し触れた「スキマ時間にスマホを見る」という現代人の習慣を利用したスタディングという通信講座が今人気となっています。
「コスパが良い」「スマホで勉強できる」という点が好評で、近年利用者が急増しています。
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僕も実際に使ってみましたが、どこでもすぐにスマホで勉強できるし価格も大手予備校の1/5程度とリーズナブル。
受講料は「簿財2科目:59,800円~」なので、外食を少し控えれば捻出できる金額。
簿記論・財務諸表論は会計系では間違いなく「ハイランク資格」。
企業の経理職や会計事務所など簿記を扱う職種なら威力抜群の資格です。
もしも、簿財2科目取れたら人生は大きく変わるはずです。
しかも、令和5年に実施される税理士試験から簿記論と財務諸表論の受験資格は不要になりました。
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来年、簿財2科目合格を狙うなら11月にはスタートを切らないと間に合わないかもしれません。
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